【中学生向け】 数学の解法まとめ! 高校受験で点が取れるパターン学習法

はじめに:数学の「解法」って何?なぜ大事なの?
「公式はしっかり覚えているのに…」
テストや模試になると、『どうやって解き始めれば良いか思いつかない…』
高校受験の数学で、こんな壁にぶつかっている人が多いのではないでしょうか。
「解き方が思いつかない」原因は、あなたの理解不足ではありません!
それは…
公式を覚えるだけの学習から、
「解法力」を身につける学習に切り替えるタイミング
が来ているサインです。

★ 数学の「解法」とは? ★
数学における「解法」とは、簡単に言うと、
【問題を解くための決まったやり方や道筋(みちすじ)】
のことです。
数学の問題は、公式や定理をただ暗記しているだけでは通用しません。
特に高校入試では、複数の公式を組み合わせたり、図形に補助線をひいたりといった「最初の一歩」が肝心です。
この「最初の一歩」や「手順」が、数学における解法=定石(じょうせき)と呼ばれます。

★ 高校入試で点が取れる「定石」とは ★
高校入試で出題される問題の多くは、見た目が複雑に見えても、その裏には「この条件があれば、この手順で解ける」という決まったパターンがあります。
これが「定石」です。
定石を理解し、使えるようになれば、あなたは以下のような壁にぶつかることがなくなります。
・「頭が真っ白になる」 のを防げる!
→ 問題文を見た瞬間に、この定石が使えそうなどと判断できるため
・「時間が足りない」 を防げる!
→ 途中で迷ったり、無駄な計算をしたりする時間がなくなるため
この「定石を思いつく力」こそが解法力であり、高校入試で安定して点を取るために最も大切な力なのです!
次のセクションでは、この解法力を身につける具体的な学習ステップを見ていきましょう。
解法を身につける3ステップ学習法
数学の解法力を身につけるためには、
「見る」「わかる」「使う」
の3つのステップで体系的に学習を進めることが重要です。
ただ解説を読んで暗記するのではなく、この3ステップを踏むことで、家庭学習でも入試に通用する再現性の高い実力を身につけることができます。
【ステップ1】 定番の解法パターンを「見る」
数学の問題には、
「こういう条件があるときは、こう解く」
という決まった「型」があります。
まずは、その型がどんなものかを知るために、定番のパターンを意識的に「見る」ことから始めましょう。
【目的】
問題と解法の「対応パターン」を認識する。
【アクション】
1.教科書や問題集の例題、基本問題を用意します。
2.解き方がすぐにわからなかった問題や、応用問題の導入部分に注目します。
3.問題の「条件(何が与えられているか)」と、解説の「最初の一手(解き始め)」に集中し、
「こういうときは、こう解く」という対応パターンを確認します。
4.付箋(フセン)などを使って、
「比の問題」「面積を求めるときに補助線をひく問題」
など、解法パターンごとに問題を分類していくと、頭の中で整理しやすくなります。


このステップでは、まだ自力で解こうとしなくて大丈夫です。
まずは、
「こういう型があるんだ!」
ということを目で見て理解し、脳にインプットしましょう。
【ステップ2】 なぜそう解くのか「わかる」
ステップ1で「型」を見た後、次に大切なのは「なぜその手順なのか?」という理由を理解する=「わかる」ことです。
これが、解法をただの暗記で終わらせないための重要なプロセスです。
【目的】
解法の本質を理解し、「応用力」をつける。
【アクション】
解説を読みながら、
「なぜこの補助線をひくのだろう?」
「なぜここで連立方程式にするのだろう?」
と、立ち止まって疑問を持つ習慣をつけましょう。
キーワードは「なぜ」です。
参考書や授業で先生から教わった解説を、自分の言葉でノートに書き直す練習をしましょう。
「この式にする理由は、面積が等しいからです。」
のように、手順だけでなく理由を併記します。
図形問題であれば、定理の名前だけでなく
「この定理を使うと、この角度とこの角度が等しいことが証明できる」
という、使い道の流れを理解するように努めます。
解法の「理屈」がわかれば、問題の数字や設定が変わっても、正しい手順を応用できるようになります。

【ステップ3】 覚えた型を「使う」
最後に、ステップ1と2で理解した解法パターンを、自分の実力として定着させるために「使う」練習をします。
【目的】
定着した解法を、本番で自力で「再現」できる力を養う。
【アクション】
1.自力で解く
ステップ1で見た問題を、もう一度自力で解いてみます。
2.初手だけ見て再トライ
もし途中で手が止まってしまったら、「最初のアクション」だけ解説で確認し、すぐに解説を閉じます。
3.最初からやり直す
最初の一手を見てもなお解き進められない場合は、その解法がまだ定着していないサインです。
すぐに最初からやり直し、解法の流れを意識しながら解き進めます。
4.再現ノートの活用
解法を見てもスムーズに解けなかった問題は、「再現ノート」に書き残し、手順と理由を整理します。
これが、あなたの自分専用の解法集となります。
このステップで大切なのは、「最初の一歩(解法パターン)」を自分の手で再現できるまで繰り返すことです。

単元別:入試によく出る「定番の解法パターン」
ここでは、中学数学の主要な単元で、高校入試によく出題される「解法の定石」を具体的に見ていきましょう。
【方程式の文章題】 手順に従って式をつくり、答えを求める!
文章題は、数学的な思考力と日本語の読解力が試されますが、解き方の流れは決まっています。
定石
1.求める数量を文字で表す
問題で聞かれている数量をxやyなどの文字で表します。
通常は、求めるべき数量を文字で表します。
そうすることで、求めた解をそのまま答えにできるからです。
2.方程式をつくる
文章中の数量の関係(「合計」「等しい」「差」など)に着目し、方程式や連立方程式をつくります。
式をつくりにくいときは、表に整理すると、数量の関係や単位が明確になります。
問題文の数値部分に線をひいて、関係を確かめるのも良いでしょう。

3.解を求めて吟味(ぎんみ)する
2でつくった方程式の解を求めた後、そのまま答えとして良いか確かめます。
問題の条件を満たしているかを確認し、単位をつけて答えをかきます。
要注意:人数を求めるのに、答えが小数や分数になっていないか
金額を求めるのに、答えが負の数になっていないか
など、問題に当てはまるかを考えましょう。
間違いやすいポイント
割合 → 百分率は小数に直してから計算
例 x円の 20% 引き
→ (1-0.2)x
速さ → 単位をそろえてから計算
例 行きは 2時間、帰りは 30分 かかった。
→ 合計の時間は、
2+0.5 (時間) または、 120+30 (分)
【関数】 グラフ・表・式をつなげる解き方
関数の解法の定石は、グラフ、表、式の3つの関係をおさえ、自由に変換できるようにすることです。
定石
1.表から式をつくる
変化の割合やxとyの値の関係から、
・yがxに比例、反比例しているのか
・1次関数か
・xの2乗に比例しているか
を見抜き、式に表します。
2.式からグラフをかく
中学校で学習する関数のグラフには、直線と曲線があります。
式が y=ax+b と、1次関数( b=0 のときは比例)の形をしていたら、傾きと切片からグラフをかきます。
式が y= x a 、y=ax2 の形をしていたら、xに 1 、 2 、 3 … のときの値を代入して座標を求め、
それぞれの点を通るような、なめらかな曲線をかきます。
3.交点の座標の求め方(連立方程式の利用)
グラフの交点の座標を求めるときは、それぞれのグラフの式から連立方程式をつくって解くのが定石です。
・2直線の交点
→ y を消去して、 x についての1次方程式を解きます。
・x軸との交点
→ x軸は y=0 の直線と考えます。
グラフの式に y=0 を代入し、xの値を求めます。
・放物線( y=ax2 )と直線の交点
yを消去して、xについての2次方程式を解きます。
間違いやすいポイント
y=ax2 の変域を求めるとき、原点Oをまたぐ変域になっているときは要注意です。
yの変域の最小値や最大値が 0 になることに気づかないミスが多いです。
【図形】 合同・相似・角度の見抜き方
図形問題では、「補助線をひく場所」や「どの三角形に注目するか」というパターンの見分け方が定石となります。
定石
1.補助線をひく
平行線や接線、円周角など、問題の条件から定理を利用できるように補助線をひくのが定石です。
2.特別な図形に注目
与えられた図形の中に、合同な三角形や相似な三角形、二等辺三角形などの特別な図形が隠れていないかを見抜くことが重要です。
3.錯角・同位角の利用
平行線が示されている場合、錯角・同位角が等しいことを利用して角度を求めたり、相似の証明につなげたりします。
間違いやすいポイント
合同と相似の条件を混同しないようにしましょう。
証明問題で、根拠となる定理や条件(例:平行線の錯角など)を明確に記述せずに進めてしまわないようにしましょう。
【確率】 場合分けと樹形図の使い方
確率の問題は、数え忘れや重複をさけて、すべての場合の数を正確に把握することが定石となります。
定石
・さいころを2つ使うなど、事象が2つで独立している場合は、表にまとめると便利です。

・玉を順番に取り出す場合や、じゃんけんのように順番や組み合わせが複雑な場合は、樹形図を使って数え漏れをふせぎます。
1.表や樹形図で整理する
2.すべての場合の数を求める
樹形図や表のマス目を数え、起こりうる全ての場合の数を求めます。樹形図は小さい順に、規則正しく書いていくのが鉄則です。
3.問題の条件を満たす場合の数を求める
その中で、問題の条件に当てはまる場合の数を数えます。

間違いやすいポイント
さいころ2個のように「区別がない」ように見えても、それぞれ「大・小」として区別して全ての場合の数を数え上げる場合が多いです。
どのようなサイコロやコインを使っているのか、問題文をよく読むようにしましょう。
解法暗記は必要? 暗記だけじゃない勉強法
高校受験の勉強法について調べると、
「数学は暗記するな、理解しろ」
という意見と
「解法はパターンとして暗記すべきだ」
という意見の両方を目にします。
いったいどちらが正しいのでしょうか。
結論から言うと、どちらも大切ですが、順番が重要になります。
数学で本当に実力をつけるには、以下のサイクルを回すことが必要です。
理解する → 覚える → 使う
解法は、まず「なぜこの手順なのか」を理解します(理屈を知る)。
その上でスムーズに再現するために覚えます(パターン化する)。
そして繰り返し問題を解いて使います(定着させる)。
こうすることで、初めて本番で使える力になります。
NG例 手順だけ丸暗記はキケン!
解法の理屈を飛ばして、手順だけを丸暗記してしまうのは危険です。
よくある失敗例は次のようなパターンです。
★ 全部同じように見える ★
少し問題の設定や図の形が変わっただけで、「暗記したパターン」と違うと感じて手が止まってしまいます。
★ 応用できない ★
応用問題は、いくつかの基本解法を組み合わせたものです。
手順だけを覚えていると、どの解法をいつ使えばいいのか判断できず、手が出なくなります。
丸暗記は一時的な点数にはつながるかもしれませんが、実力が伴わないため、入試本番で通用しにくい勉強法です。

OK例 「自分の言葉」で理解しながら覚える
解法を「使える知識」にするためには、「自分の言葉」で理由を説明できる状態を目指しましょう。
これには、ステップ2で紹介した「再現ノート」が非常に有効です。
★ 自分用の解法ノートの作り方 ★
・【図】:問題の図や条件を図示する。
・【手順】:解法の流れを箇条書きで書く。
・【理由】:なぜその手順を踏むのか(例:なぜここで補助線をひくのか、なぜ図形を分割するのか、なぜ垂線をひいたのか)を、
自分の言葉で簡単に説明する。
★ 暗記カード化・ルール化の例 ★
・表:「問題の条件」 → 裏:「解法ルール」
・例 表:「図形の辺の長さが等しいことを証明する」 → 裏:「その辺を含む合同な図形がないか確認」
※自分なりの言葉でわかりやすくまとめましょう。
このように、問題の型と、それに対する自分の行動ルールを明確にすることで、単なる暗記ではなく、判断力として解法を身につけることができます。
模試・過去問で解法力を試す方法
入試対策の仕上げとなる模試や過去問は、あなたの「解法力」を試す絶好の機会です。
これらの演習は、単に点数を計るためではなく、「どこができなかったか」を見つけて、自分の解法集(定石)に追加していくためのものだと考えましょう。
問題を解き終わった後、わからなかった問題の解説を読んで「次回は再現できるか」までが、過去問演習の重要な復習サイクルです。
5分考えて → 解説 → 再現 が基本サイクル!
過去問や模試を解くとき、
・すぐに諦めないこと
・答えをすぐに確認しないこと
が、解法力を高めるポイントです。
★ まず自力で考える(時間を区切る) ★
問題を前にして手が止まったら、タイマーを使って5分だけ集中して考えましょう。
この5分で「解法のパターン」を思いつけるか試すのが目的です。
★ 時間を区切って解説を確認 ★
5分考えても解法が思いつかなければ、すぐに答えを見るのではなく、「最初のアクション(解法の一歩目)」だけ解説で確認します。
★ 自分で最後まで書き直す(再現) ★
最初の一歩が分かったら、解説を閉じて自分で最後まで解答を書き上げましょう。
この「自分の手で再現する」作業が、解法を定着させます。
このサイクルを回すことで、「思いつかなかった解法」を自分のものにすることができます。

「解けなかった問題」を宝物にする
解けなかった問題は、あなたの弱点ではなく、「次に得点源になる可能性を秘めた宝物」です。
解法を再現できた後、その問題を必ず記録に残しましょう。
・ミスノートや「できなかったカード」に追加
解けなかった問題、あるいは解法を途中で忘れてしまった問題は、ミスノートや暗記カードに追加します。
問題の図や条件と、それに合った解法(最初の一歩)をセットで書き込むことで、「自分専用の解法集」が完成します。
・次回に備える
これらの記録は、試験直前や模試の直前に見直すことで、解法パターンの引き出しを増やす最強の武器となります。

まとめ:今日からできる「解法力UP」3つの行動
今回の記事では、高校受験の数学で点を取るために必要なのは、公式の丸暗記ではなく、
「解法力(定石パターンを使いこなす力)」
であることを解説しました。
数学はセンスではなく、正しい手順でコツコツ積み上げれば必ず伸びる科目です。
難関問題に立ち向かう力をつけるため、今日からすぐに以下の3つの行動を始めましょう。
1.1日1枚、「解法カード」を書く
問題を解いた後、「解き始めの最初の一歩」をカードやノートに記録しましょう。
表: 問題の図や条件(例:問題の図の中に直角三角形がある)
裏: 解法のルール(例:三平方の定理を使って長さを求めることができる!)
毎日少しずつ「定石」をストックしていくことが、解法力を高める一番の近道です。
2.「最初の一手だけ見て」再トライする
もし問題が解き進められなくなったら、すぐに答え全体を見るのはやめましょう。
「解法の最初のアクション(一歩目)」だけ解説で確認し、残りは自力で最後まで解き切る練習をしましょう。
この「自力で再現する」ステップが、あなたの解法を確かな知識に変えます。
3.解けなかった問題を「宝物」としてノートに記録する
模試や過去問で間違えた問題は、あなたの弱点ではなく、「まだ伸びる余地」を示しています。
解法を理解したら、その問題を「自分専用の解法集」としてミスノートに追加しましょう。
入試直前にこれを見直すことが、あなたの点数を確実に上げる最強の復習となります。
高校受験は、解法力をコツコツと積み上げれば、必ず突破できます。
今日から行動を変えて、数学を得点源にしていきましょう!
数学の解法を確認! 文理のおすすめ問題集
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