中学生の理科|問題集はどう選ぶ?分野別の学習ポイントとおすすめ問題集9選
中学生のみなさん、理科の学習に悩んでいませんか?
暗記することが多くて覚えられない、計算問題が絡んでくると解けない、記述問題でうまく現象を説明できない、など理科でつまずきやすいポイントはいくつかあります。
そういったつまずきを防いで、理科を苦手教科にしないためには、学校での授業に加えて、家庭でも自分に合った問題集を選んでコツコツ学習することが大切です。
そこで今回は、中学理科の学習にぴったりな問題集を、目的やレベル別に紹介します。
成績アップのための問題集を探している人、これから高校受験を目指す人はぜひ参考にしてください。
動画で大筋をチェック!
目次
5.レベルに合わせて、実力アップができる おすすめ問題集3選
POINT
・中学理科は家庭学習も大切。まずは教科書の内容をしっかり予習・復習しよう。
・中学理科の問題集は目的とレベルに合わせて選ぶのがおすすめ。
・目的に合わせて、おすすめの理科の問題集をご紹介。
1.分野別|中学生理科の学習のポイント
中学校の理科は、物質やエネルギーに関する事物・事象を対象とする「第一分野」と生物や地球に関する事物・事象を対象とする「第二分野」に分かれます。
わかりやすく言うと、第一分野では物理・化学に関する内容を、第二分野では生物・地学に関する内容を学ぶことになります。
ここでは、物理・化学・生物・地学それぞれの学習のポイントをご紹介します。
物理
物理分野では、「身近な物理現象」、「電流とその利用」、「運動とエネルギー」などについて学習します。
物理の学習では「原理の理解」がカギになります。
ある現象の原理を理解したうえで「公式」を覚え、それを活用して計算ができるようになりましょう。
化学
化学分野では、「身の回りの物質」、「化学変化と原子・分子」、「化学変化とイオン」などについて学習します。
化学の学習では、「暗記」と「計算」がカギになります。
物質の名前や性質や元素記号を暗記し、化学式や公式を覚え、それを活用して計算ができるようにしましょう。
生物
生物分野では、「いろいろな生物とその共通点」「生物の体のつくりと働き」「生命の連続性」などについて学習します。
生物の学習では、「暗記」と「分類」がカギになります。
つくりや器官の名前と働きをしっかり覚え、グループごとに分類して知識を整理しましょう。
地学
地学分野では「大地の成り立ちと変化」「気象とその変化」「地球と宇宙」などについて学習します。
地学の学習では、「法則の理解」がカギになります。
ある現象がどんな法則で起きるのかをしっかりと理解し、問題を解くときにはその法則を当てはめて考えるようにしましょう。
また、いずれの分野でも実験・観察が重要になります。
器具の名称や正しい実験・観察の方法を覚えましょう。
また、見通しをもって実験・観察を行い、科学的な探求力を身につけましょう。
2.中学理科の問題集はどう選ぶ?
本屋に行けば、たくさん理科の問題集が並んでいます。
そのなかから、自分に合った問題集を選ぶにはどうしたらよいのでしょう?
こちらでは、あなたにとってベストな理科の問題集を選ぶために見るべきポイントをお伝えします。
教科書に対応しているものを選ぶ
市販されている問題集には「教科書準拠版」と、そうでないものがあります。
教科書準拠版とは、それぞれの教科書の内容に沿った問題集です。
みなさんは、学校でどの教科書会社の教科書を使っていますか?
「え? 教科書って日本全国同じじゃないの?」と思った人もいるかもしれませんね。
実は、中学校の理科の教科書は現在5つの教科書会社が発行していて、それぞれ内容が異なっています。
・東京書籍(新しい科学)
・大日本図書(理科の世界)
・学校図書(中学校科学)
・教育出版(自然の探究 中学理科)
・啓林館(未来へ広がるサイエンス)
学校の授業は教科書に沿って行われるため、家庭での予習・復習には教科書の内容に沿った「教科書準拠版」の問題集がおすすめです。
教科書準拠版の問題集は、それぞれの教科書と単元名や実験・観察の内容などがそろっていて、教科書の参照ページも載っています。
重要ポイントの解説も教科書の内容に沿っているため、授業の内容が理解しやすいのもポイントです。
また、定期テストの問題は教科書の範囲から出題さるため、教科書準拠版で学習すれば成績アップが見込めます。
授業の予習・復習、定期テスト対策には、まずは教科書準拠の問題集で学習をはじめるのがよいでしょう。
学習の目的に合っているものを選ぶ
中学生向けの問題集には、日常学習用、定期テスト対策用、入試対策用などがあり、それぞれの問題集は、学習者の目的を効率よく達成できるように編集されています。
そのため、自分の学習の目的あった問題集を選ぶことが、効率的・効果的に学力を伸ばす近道になるのです。
・定期テストの対策がしたい
・苦手を克服したい
・受験対策がしたい
これらの目的を定め、自分に合ったレベル・学年(あるいは分野)の教材や問題集を選びましょう。
また、理科の場合は、知識を整理したいのか、それとも実戦的に演習を重ねたいのかも考えましょう。
前者の場合は、写真や図版が多く、書き込み型の紙面でポイントが整理できるものを、後者の場合は、定期テストの予想問題や入試問題が多く収録されているものを選びましょう。
知識の整理も、実戦演習も行いたいという場合には、ハイブリット型の教材もあります。
苦手分野が克服できるものを選ぶ
物理、化学、生物、地学のうち、どの分野が苦手かは人によって異なるでしょう。
生物・地学は暗記と知識の整理がポイントになるので、要点の整理がしっかりした問題集がおすすめです。
物理、化学は暗記に加えて、計算が絡む問題も少なくありません。
計算問題でつまずく場合には、計算の手順をわかりやすく示してくれる問題集がおすすめです。
特定の分野ではなく、理科という教科そのものが苦手だという場合は、教科書準拠品や、超基礎レベルの問題集を選んで、苦手意識を減らしてゆきましょう。
実際に中身を見て選ぶ
問題集によって問題のレベル、紙面レイアウト、解説の量などは異なります。
他の人に選んでもらうのではなく、自分の目で内容を確認し「自分のレベルに合っているか」「自分が使いやすいと感じるか」を基準に選ぶことが重要です。
とくに理科場合は、写真の多さや、図解のわかりやすさで紙面の印象が変わります。
問題ページだけでなく、解答ページの採点のしやすさや、解説のくわしさも重要です。
書店で実物を手にとってみたり、ネット書店などの試し読みで確認したりして、自分に合った問題集を選びましょう。
3.中学理科の問題集は、ここを見て選ぼう!
理科の問題集を選ぶ際の基準は分かっても、具体的に問題集のどこを見ればよいか迷いませんか?
そんな時はここをチェックしましょう。
単元ごとに要点のまとめがあるか?
理科の問題をとくには、まず原理や法則、公式、分類などが知識として頭に入っている必要があります。
それらの知識が単元ごとに「要点のまとめ」としてまとまっているページがあると便利です。
スモールステップで学習できるか?
知識を定着させるには、繰り返し演習することが大切です。
ただ、やみくもに演習するのは得策ではありません。
要点のまとめ➡確認問題➡基本問題➡発展問題のように、徐々にレベルアップしてゆく問題集だと、つまずきを見つけやすく、また知識も定着しやすいでしょう。
まとめのテストや総合テストはあるか?
単元ごとの学習が進むと、前に学習したことを忘れてしまうことがあります。
そんな時、数単元ごとのまとめのテストや総合テストがあると、復習になります。
これらのテストは、定期テスト前の実力試しや入試対策の模試代わりにも使えます。
解答解説は分かりやすいか?
解答解説が分かりやすいというのも重要なポイントです。
理科の場合は、解説が詳しいことはもちろん、図や表で知識が整理されているものが分かりやすいでしょう。
付録が充実しているか?
暗記すべきことが多い理科では、付録にカードや、赤シートで隠せるミニブックなどがついていると便利です。
また、実験観察は動画で見るとわかりやすいので、動画つきの教材もおすすめです。
4.授業の予習・復習&定期テスト対策に おすすめ問題集3選
こちらでは、予習・復習・定期テスト対策にぴったりの問題集を紹介します。
学校で習った内容を自分のものにするには自宅での学習は欠かせません。
教科書準拠の理科の問題集ならば授業に沿った学習ができ、テスト対策にも効果的です。
中学教科書ガイド 理科
教科書の内容をしっかり理解したいならば「中学教科書ガイド 理科」がおすすめです。
教科書の構成に従って、教科書の本文のまとめ、実験・観察の解説、問題の解答と考え方が用意されています。
テスト対策問題もあり、定期テストによく出る問題を扱っています。
中学教科書ワーク 理科
「教科書ワーク」はオールカラーの整然とした見やすい紙面が特長の問題集です。
単元ごとにステージ1から3まで自然とレベルアップできる仕組みになっています。
単元の配列や学習内容だけでなく、実験・観察や観察まで教科書に出てくるものにそっているため、学校の授業の理解がしやすくなっています。
付録も充実しています。暗記にぴったりな学習カード「ポケットスタディ」や赤シートでかくして覚えるミニ冊子「スピードチェック」、定期テストで高得点が狙える「得点アップ 予想問題」など、成績アップに役立つ付録が満載です。
中間・期末の攻略本 理科
「中間・期末の攻略本」は定期テスト対策にぴったりの問題集です。
2色刷の紙面で、赤シートがついているため、理科の重要語句やポイントを効率的に暗記できます。
「予想問題」では、実験・観察に関する問題も収録しており、記述問題や計算問題もしっかり対策できます。
テスト直前まで使える「5分間攻略ブック」がつくのもうれしいポイントです。
毎日の学習に「教科書ガイド」や「教科書ワーク」を利用しながら、定期テスト前にはこちらの問題集も活用する、という使い方をおすすめします。
5.レベルに合わせて、実力アップができる おすすめ問題集3選
こちらではレベルごとにおすすめの問題集を紹介します。
自分にとって、簡単すぎず、難しすぎない問題集を選ぶのが、モチベーションを保ちながら勉強を続けるコツです。
わからないをわかるにかえる 理科
「基礎の基礎から理科を勉強したい」という人におすすめの問題集です。
オールカラーの紙面はイラストや図、写真をふんだんに使い、わかりやすさを追求しています。
別冊の解答解説は、問題のなかに赤字で解答と解説が入っているので、採点しやすくなっています。
ふろくの「みるみるわかるカード」はカラーの図がついており、重要語句の暗記を視覚的に助けてくれます。
完全攻略 理科
教科書の内容はある程度理解できていて、「さらに一歩進みたい」という人におすすめです。
各単元は、要点のまとめを確認しながら、図で知識を整理したのち、基本問題、標準問題、実戦問題に取り組む構成になっています。
章末には、テストで差がつく問題と、定期テスト対策問題が収録されており、しっかりテスト対策ができます。
また、巻末の「コラムDEサイエンス」のコーナーでは、発展的な学習内容がコラムで紹介されています。
付録には、赤シートでかくして使えるミニ冊子「Perfect Book」やWebからダウンロードできる「完全攻略テスト」などがついています。
ハイクラス徹底問題集 理科
難関高の受験を視野に入れながら、中学理科の学習内容を完璧に近づける問題集です。
中1から過去の入試で出題されたレベルの問題に触れられます。
記述や計算を含む難易度の高い際の入試問題が数多く収録されているため、理科が得意な中学生、難関校を目指している中学生にとっても手応えを感じられるでしょう。
6.高校入試に備える おすすめ問題集3選
高校入試の理科は、中学3年間で学習した内容の理解が求められます。
どの単元からも出題される可能性があるため、網羅的に対策できる問題集がおすすめです。
わからないをわかるにかえる 高校入試 理科
中学3年間で学んだ理科の知識を、基礎レベルから入試レベルまで一気に引き上げてくれる問題集です。
高校入試対策のはじめの1冊として、苦手な単元をしっかりやり直して入試に挑みたい受験生にぴったりな内容となっています。
コーチと入試対策! 「8日間完成 中学1・2年の総まとめ」 「10日間完成 中学3年間の総仕上げ」理科
8日間or10日間で仕上げる入試対策用の問題集です。
うさぎとヒツジのかわいいコーチが丁寧に解説してくれるため、受験対策が楽しくなるような紙面となっています。
どちらの問題集も得点アップにつながる攻略キーワードで、理科の重要語句をすっきり暗記できます。
「8日間完成 中学1・2年の総まとめ」
入試までまだ時間的余裕はあるけれど、これまで勉強してきた単元に不安がある、短期間に復習をしたいという人に最適です。
8日間で中学1年、2年の復習と定着確認ができます。
使用時期は3年生に進級する直前の春休みや3年生の夏休み頃がおすすめです。
「10日間完成 中学3年間の総仕上げ」
こちらは3年間の総仕上げができる問題集です。
使用時期は3年生の夏休み∼冬休み頃がよいでしょう。
入試のリハーサルができる模擬テストつきです。
完全攻略 「中1・2の総復習」「3年間の総仕上げ」 理科
しっかり高校入試対策をするのにぴったりな問題集です。
ややボリュームがあるため、計画的に学習を進めましょう。
要点とポイントが簡潔にまとめてあり、標準問題からステップバイステップで入試レベルまで力を伸ばせます。
「中1・2の総復習」
入試の出題の7割を占めると言われる1・2年の学習内容を1か月程度で復習できます。
「3年間の総仕上げ」
3年間の学習内容を2か月程度で復習し、入試本番に向けての対策ができます。
付録の赤シートつきのミニブック「入直前チェック」は、重要語句がまとまっているため、入試会場に必携です。
7.まとめ
理科はひとつひとつの事象を理解することが重要な科目です。
基礎となる用語の暗記はもちろん大切ですが、ある現象はなぜ起きるのかを理解して説明する力も求められます。
法則を理解し、公式を使って計算することも必要です。
問題集を使って知識を整理し、演習を重ねて、成績アップや高校合格を目指しましょう。