2024/07/19

高校入試で重視される内申とは?

高校入試で非常に大切な「内申」。

内申とは、生徒の学校生活全体を評価したものです。

今回は内申書の内容や内申点の重要性、内申点の計算方法について詳しく説明します。

普段のみなさんの学校生活をもとに作られる内申書の中身を理解して、内申点を着実に上げていきましょう!

 

 

 

高校に提出される内申書

内申書(調査書)とは

内申書(調査書)は、日頃の成績、出欠状況、行動の記録などを総合的にまとめた評価書であり、中学校9教科の5段階評定を点数化したものです。

これらは高校入試で合否を左右する重要な書類で、みなさんが志望する高校に提出される公式な文書となります。

日頃のみなさんの様子が反映されるため、早めの対策が重要になってきます。

 

成績表(通知表)との違い

通知表は、生徒と保護者に渡されるもので、各学期の教科の成績や授業態度の評価が記載されています。先生の所見欄などもありますね。

つまり、通知表は学期ごとの学業成績が記載される一方、内申書は学年ごとの学業成績が記載されるという点が大きな違いといえます。

※ただし、受験を寸前に控えた中3の成績は学年末まで入ると間に合わないため、間に合う時点での成績が反映されています。3学期制だと2学期まで、2学期制だと後期の中間までが内申書に反映される成績となります。

 

 

 

 

高校入試で内申点が重要なわけ

では、どうしてこの「内申点」が重要になってくるのでしょうか。

 

それはズバリ、「高校入試は「学力テストと内申点の合算で合否が決まる」から」です。

 

多くの高校では、学力テストの成績と内申点を合算して合否を決定します。

そのため、学力テストで高得点を取るだけでは合格が難しく、日頃の積み重ねによる「内申点」が重要になるというわけですね。

 

内申点が合否を分けることもある

特に競争の激しい高校では、学力テストの点数が同じ場合、内申点が高い生徒が優先されることが多いです。

こう聞くと、一発で結果が決まってしまう学力テストだけでなく、内申点を上げることが合否を左右する重要なポイントになることが、じわじわと伝わるのではないでしょうか。

 

 

 

 

内申点の扱い

内申点は公立高校と私立高校で扱われ方が異なります。

詳しく見てみましょう。

 

公立高校の場合

すべての都道府県で「内申点」が公立高校の入試判定に活用されており、内申点の比重が大きいことが多いです。

地域によっては内申点が合否の半分以上を占めることもあります。地域によって違いもあるため「自分の住んでいる地域 + 内申点」などと検索してみてもいいでしょう。

 

私立高校の場合

私立高校では、学力テストの成績が重視される場合が多いですが、内申点も無視できない要素です。特に推薦入試では、内申点が重要な役割を果たします。

内申にある「出欠日数」が少ないと推薦すら受けられない可能性も出てきます。

 

 

 

 

内申書の内容

それでは、ここで内申書の中身について詳しく見てみましょう。

下の画像が内申書の一例です。

(出典:千葉県ホームページ https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/press/2023/koukou/050914jissiyoukou.html)

 

①氏名などの基本情報

生徒の氏名や生年月日、住所などの基本情報が記載されます。

 

②各教科の学習記録

各教科の成績や授業での取り組み方が詳細に記録されます。ここが学年別で書かれていることが、通知表との違いですね。

 

③出欠日数などの学習時間の記録

学校にしっかりと通っているかが記録されます。私立高校の推薦入試の場合は欠席日数が多いとそもそもの出願ができない場合もありますから、やむを得ない欠席以外は避けましょう。

 

④総合所見・行動の記録・特別活動などの記録

クラブ活動や学校行事での活躍、日常の行動などが記録されます。

地域によって内容は異なりますが、性格や人との関わり方、物事への取り組み方などの特徴が記載されることが多いです。

例えば、この記事に掲載している地域の内申書では「行動の記録」は「基本的な生活習慣」「健康・体力の向上」などの10項目に対して、「〇」が書き込まれるスタイルですね。

基本的には生徒の特長を「長所」として書くことが多いので、安心してご自身の個性を発揮してくださいね。

 

内申に記載される学年は都道府県によって異なる

内申書に記載される学年は地域によって異なるため、自分の地域のルールを確認しておきましょう。

例えば東京都や愛知県は中3の成績のみ、神奈川県は中2・中3の2年間、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県などは中1・中2・中3の3年間分の成績が内申に記録されます。

 

 

 

 

内申点の計算

ここでは、内申点の計算方法についてお伝えします。

自分の目指す高校にはどちらの内申点が関わるか把握しておきましょう。

自分の内申点を知りたい!と思ったときにも計算できますよ。

 

素内申

素内申とは、各教科の総合評価をそのまま合計した点数のことです。

満点は45点となります。

つまり、9教科の成績がオール4だった場合、9×4=36点となります。

 

 

換算内申点

換算内申点は、素内申を特定の基準に従って計算し直した点数のことです。特定の科目を2倍にしたり、1.2.3年生の成績をすべて合計したりと様々です。

学校や地域によって計算方法が異なります。

 

 例えば、東京都の場合(3年生の成績のみが反映されます)

学力テストの結果と内申点は、都内公立高校の場合原則として7:3の比重です。

合否は1000点満点で判定されるため、学力テストが700点、内申点が300点となります。

令和5年度入学者選抜から、新しくスピーキングテストである「ESAT-J」の点数が加わり、総合得点は1020点満点になっています。

 

換算内申点を上記の内申点300点に換算するためには、以下の計算式が使用されます。

 (自身の換算内申点)÷65点(換算内申点の満点)×300点

 

※学力検査を3教科(国・数・英)、学力検査の得点と調査書点の比率を「6:4」で実施する学校もあります。また、定時制課程の第二次募集では「5:5」を採用する学校もあります。ご自身の目指す学校でそれぞれ調べてみてください。

 

 

 

内申点を上げるコツ

1:定期テストを頑張る

定期テストの成績は内申点に直結します。毎回のテストで高得点を目指しましょう。

 

2:実技4教科をおろそかにしない

音楽、美術、保健体育、技術・家庭などの実技教科も内申点に含まれます。割合が主要5教科と異なる可能性がありますが、侮ってはいけません。これらの教科は努力や取り組み方が成績に直結しやすいともいわれています。積極的に取り組むようにしましょう。

実技教科で高い成績を取ることで、学力テストの点数が多少低くても内申点で補うことができるかもしれません。

 

3:課題の提出や授業態度など日々の行動を意識する

課題をしっかり提出し、授業中の態度も良くしましょう。日常の行動が内申点に強く影響します。内申の「総合所見・行動の記録・特別活動などの記録」はここが重要視されますからね。

 

 

 

 

内申点アップに役立つ!おすすめの問題集

中学教科書ワーク

教科書に準拠した問題集で、基礎から応用まで幅広く学習できます。

とことん教科書に沿って作られているため、定期テスト対策にはばっちりです!

また、日頃の予習復習にももってこいですよ。

みなさんが日頃お使いの教科書に合ったものを使ってください。

ワークの右上を見ると対応する教科書の名前が書いてあります。

 

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中間・期末の攻略本

定期テスト対策に特化した問題集で、効果的に点数を上げるための対策が盛り込まれています。

こちらも教科書に沿って作られている、通常「準拠版」と呼ばれるものです。

定期テストで出やすい問題を重点的に絞って作っているので、効率的にテスト対策ができます!

 

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これらを活用して、確実に内申点を上げていきましょう!

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高校入試に向けて準備をしよう! 【公立高校編】

中学生のみなさん、行きたい高校は決まりましたか? 今日の記事では、高校入試、とくに公立高校の入試について解説します。 公立高校入試の仕組みを理解して、入試に向けてしっかり準備をしましょう。   そのまえに、まずは、公立高校とはどんな学校なのかを見ておきましょう。   公立高校のと私立・国立高校のちがい 高校には、運営主体のちがいによって、公立高校、私立高校、国立高校があります。   公立高校 公立高校は、都道府県や市町村などの地方自治体が運営する高校です。原則として、その地域に住む人だけが通うことができます。 私立高校 私立高校は、学校法人などが運営する高校で、学校ごとに建学の精神をもち、独自の特色ある教育を行っています。 国立高校 国立学校法人が運営している高校です。国立大学付属のため、充実した教育環境が整えられており、教育水準も高いです。     公立高校の特徴 3種類の高校のうち、公立高校の特徴をもう少し詳しく見てみましょう。   普通科と専門学科 公立高校は、大きく普通科と専門学科に分けられます。   ●普通科…広く一般的な知識を学ぶ学科。進学希望者向けのカリキュラムを組むところが多い ●専門学科…特定の分野についての専門知識や技術を学ぶ学科   近年は、普通科と専門学科の要素を合わせもつ総合学科も増えつつあります。   学費 公立高校の授業料は自治体ごとに定められています。 公立高校の3年間の学費は総合平均で140万ほどです。 私立高校の総合平均が300万ほどなので、大幅に安く抑えられています。   校風 公立高校の校風は学校によってさまざまですが、一般的な傾向として、私立高校に比べて校則などが厳しくなく、自由度が高い学校が多いです。     地域で異なる公立高校入試 ここからは、公立高校の受験を考えている人に向けて、入試の特徴をお伝えします。   地域によって入試の仕組みが異なる 大前提として、公立高校の入試制度は、各都道府県または市町村などの地方自治体が定めています。 地域によって制度が異なるため、公立高校を受験する際は、必ず自分が受験する公立高校が属する自治体の情報を確認しましょう。   「学区」が定められている地域もある 地域によっては「学区」を定めているところもあります。学区とは、通学を認める範囲として決められた区域を指します。 学区が定められている普通科の公立高校の場合、原則として、その地域に住む人しか受験できません。 しかし、地域によっては学区そのものがなかったり、学区外の生徒の受験も一部認めていたりするとこともあります。 近年は、学校選択の機会拡大や少子化を理由に、学区を撤廃・再編する自治体が増えてきています。   同一地域の公立高校は1校しか受けられない? 公立高校の試験日は地域ごとに決まっています。 そういうと、公立高校は1校しか受験できないように聞こえるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。 後から説明しますが、日程が異なる、推薦入試と一般入試の2回を受験できる地域もあります。 定員割れなどの理由により、一般入試の二次募集を行っているところもあります。 愛知県は一回の一般入試で、A・Bグループのなかからそれぞれ1校ずつを選択し、第一希望、第二希望の2校まで受験校を選択できる複合選抜制度を取っています。 このように、志望できる公立高校の数や出願の機会も自治体によって異なります。   内申点が重視される地域がある 公立高校では、内申点を重視する地域もあります。内申点とは内申書(調査書)に記載される成績のことです。 私立高校でも内申を加味する学校はありますが、公立高校の場合、自治体ごとに内申点をどの程度、入試の得点として反映するかが明確に定められています。       公立高校の入試制度 公立高校の入試形体はおもに、一般入試と推薦入試に分けられます。   一般入試  学力検査の結果と内申点で合否が決まる入試形態です。  学力検査は多くの場合、国語・数学・英語・理科・社会の5教科で行われます。 内申点については、自治体ごとに、内申書の「どの学年の、どの教科の評定を、どのくらいの割合で入試の得点に加算するか」が決められています。   推薦入試 公立高校の推薦入試は大きく分けて、「学校推薦」と「自己推薦」があります。   ●学校推薦  ・多くの場合、学校長の推薦があってはじめて出願できる ・地域によっては、推薦要件を設けているところもある ・多くの場合、学力検査はなく、調査書や推薦書と、面接や作文、小論文などの結果で合否が決まる   ●自己推薦 ・多くの場合、学校長の推薦は不要 ・自分で志願理由書を書いて提出 ・学力検査がある場合がある               公立高校の入試スケジュール 公立高校のおおよその日程は下記のとおりですが、必ず自分の志望する高校が属する自治体の、受験日および出願の締め切りを確認するようにしてください。   推薦入試の日程 1月後半から2月前半に実施する地域が多いです。   一般入試の日程 2月後半から3月前半に実施する地域が多いです。     公立高校入試対策 ここからは、公立高校入試対策の方法についてです。   志望校の情報収集をする これまで述べてきたように、公立高校の場合、各地自体によって入試制度が異なります。 まずは、志望校が属する自治体のHPなどから入試に関する正確な情報を集めましょう。   過去問を入手して解く 公立高校の過去の入試問題は公開されているので、受験する地域の問題を入手して解いてみましょう。出題の傾向や、合格ラインと今の自分の実力とのギャップなどを把握しましょう。   入試までのスケジュールを立てる 公立高校の推薦入試は1月後半から2月前半、一般入試は2月後半から3月前半に設定されていることが多いです。 中3になったら入試日から逆算して、学習スケジュールを立てましょう。 まだ、立てていないという人は、今から計画して、部活引退後の夏休みから集中して取り組むようにしましょう。     基本・標準問題の取りこぼしがないようにしておく 公立高校に限らずですが、入試で満点を取る必要はありません。合格点に達すればよいのですが、そのためには、問題集を解いてみて、そのなかの基本・標準問題は確実に正解できるようにおきましょう。 応用問題や新傾向の問題についても対策は必要ですが、基礎がしっかりできていてはじめて、それらの問題も解けるようになります。   内申対策をする 普段の学習をしっかりと行い、定期テストでよい点を取れるようにがんばりましょう。それが内申対策につながります。     公立高校対策に! おすすめ問題集2選 ここからは公立高校入試対策にもなる、おすすめの書籍の紹介です。(国立・私立高校の受験対策にも、もちろん使えます!)   基礎学力養成&内申対策に「中学教科書ワーク」 公立高校の学力検査では、中学校の教育課程に即して、特定の分野に偏ることなく出題されます。中には難しい問題が出題されることはありますが、内容としては、原則3年間で学んだ教科書の範囲からの出題になります。 つまり、3年間の学習の積み上げが、入試本番でも重要になるということです。 また、内申においては、定期テストの得点の比重が大きいので、定期テストでよい成績を取っていたほうが、入試でも有利にはたらきます。 そこでおすすめなのが「中学教科書ワーク」です。 こちらは高校入試対策用の問題集ではありませんが、3年間かけてじっくり基礎力をつけて公立高校入試を目指す生徒さんに、ぜひ使っていただきたいシリーズです。     ▶シリーズページはこちら ▶ご購入はこちら     実戦力をつける「完全攻略 高校入試」 公立高校の入試の内容は、原則教科書範囲の出題ですが、教科書の問題だけを解いていれば合格できるというものでもありません。 高い問題のレベルや、多様な設問の切り口に慣れておかなければ、入試本番で合格点を取ることは難しいでしょう。 そこでおすすめなのが、「完全攻略 高校入試」です。 「中1・2の総復習」と「3年間の総仕上げ」の2シリーズがあります。   中1・2の総復習 1か月程度で、高校入試範囲の約7割を占める、中1・2の学習内容を効率よく復習できる   3年間の総仕上げ 2か月程度で、中学3年間の学習内容を確認。入試でよく出題される問題を、出題形式別や模擬テスト形式など、さまざまな角度から解く演習ができる   ▶シリーズページはこちら ▶ご購入はこちら   まとめ 公立高校入試は、地域によるちがいが大きいです。 そのため、まずは、自分が志望する高校のある地域の情報を入手するようにしましょう。 入試、特に一般入試では、学力検査で中学3年間で学習したことがらの理解度が測られるとともに、内申点も見られています。 おすすめの問題集を使って、高校入試合格を目指してじっくり対策しましょう。