
中学生応援コラム 第4回「内申点と将来の選択肢への影響」
皆さん、こんにちは!
このコラムでは、中学生が学校の勉強をスムーズに進め、良い高校入試を迎えるサポートをするために、学校の勉強や入試に向けて取り組むべきポイントをお伝えしていきたいと思います!
前回は内申点のことを詳しくお話ししましたが、今回はこの内申点が入試にどれくらいの影響を持つのかを解説していきます!
推薦入試の場合
まず推薦入試を受けようと考える場合、ほとんどの学校では内申点が評価の大部分を占めます。
なぜかというと、推薦入試は筆記試験を行わないため、内申点以外には面接、作文や小論文、実技試験などその他の試験に限りがあるからです。
学校によっては「内申点〜〜点以上」が出願の条件になることもあり(つまり〜〜点未満だと受けることすらできない)、また一部の学校では内申点〜〜点以上ならほぼ合格できるという基準を持っているケースもあります。
内申点は一切関係のない推薦入試の制度がある学校もありますが、非常に少数です。
内申点は中学校での日常の努力を評価したものなので、やはりどの学校も重視しているのです。
一般入試の場合
一般入試では、公立と私立で大きく扱い方が変わります。
公立高校
公立高校の一般入試では、どの都道府県でもほとんどの場合、なんらかの形で内申点と筆記試験の得点の両方が評価対象になります。
入試制度は自治体によってバラバラなので、ぜひお住まいの自治体の入試制度をしっかり確認してほしいと思います。
一例として東京都の場合は、中学三年時の成績を300点満点に、筆記試験の得点を700点満点に、ESAT-Jのスコアを20点満点に換算して、1020点満点で評価点を作って選抜を行います。
神奈川県の場合は中学二年時の成績と、中学三年時の成績を二倍した数値を内申点として使いますが、学校によって内申点を重視するか筆記試験の得点を重視するかが変わる制度になっています。
公立高校でも難易度の高い「トップ校」と呼ばれるような高校になると、内申点が一定より下だと、筆記試験でどれだけ得点が高くても逆転不可能な状況になる場合があります。
これはトップ校だと多くの生徒が筆記試験で高得点を取ってくるため差がつきにくく、内申点の差が大きな影響を持ってしまう、という状況です。
こうなると、内申点が低いだけでもう受験の選択肢から一部の高校が消えてしまう、という悲しい状況になります。
そういう意味でも内申点をしっかり取れるよう日々の学習から努力することは、極めて大切なことなのです。
私立高校
一方私立高校の一般入試はどうかというと、多くの場合で内申点を参考にしません。
制度上は内申点が非常に低くても、筆記試験の得点が基準をクリアすれば合格することができます。
私が現場で指導をしているときも、内申点がどうしても取れなくて公立は厳しいが、実力が高いので私立高校の一般入試を受けて合格した、という生徒は数えきれないほどいます。
ただし、その分競争は激しくなりがちですし、私立高校の入試問題は公立と比べて難しい場合も多いため、そう簡単に合格できるわけではない、ということも知っておいてほしいところです。
まとめ
まとめとして伝えたいのは、「内申点は入試に大きく影響するから、しっかり頑張ろう!」ということです。
自分の進路の選択肢を多くするためにも、具体的な目標を持って日常から努力できるようにできたらと思います!
次回は内申点を高めるための一つの鍵である「定期テスト」に注目して、必要な準備の仕方やポイントを解説していきます!
筆者:金澤 浩(かなざわ ひろし)
大手学習塾で20年以上指導し、様々な生徒を合格に導く。
現在は共育コンサルタントとして講演会や個別での進路選択や学習の支援に取り組む