
中学生応援コラム 第2回「高校入試の捉え方(2) 受験形態」
皆さん、こんにちは!
このコラムでは、中学生が学校の勉強をスムーズに進め、良い高校入試を迎えるサポートをするために、学校の勉強や入試に向けて取り組むべきポイントをお伝えしていきたいと思います!
第2回は、入試の「形態」と、入試に向けた大切な準備・ポイントをお伝えしていきます。
入試の「形態」
高校入試の大部分は、「推薦入試」と「一般入試」の二つに分かれます。
推薦入試は、学校の成績(内申点)と、作文や面接などそれ以外の要素を評価して行われるため、内申点が高ければ高いほど有利になります。
一般入試は筆記試験を軸としており、学校によって筆記試験一発勝負の場合もあれば、内申点と筆記試験の両方を評価する場合もあります。
また、前回のコラムでお伝えした公立と私立では、入試制度が大きく違います。さらに、同じ公立でも都道府県が違うと全く制度が違ってきます。
公立高校を考えている方は、住んでいる都道府県の入試制度をしっかり調べておくことをオススメしますし、私立高校を考えている方は、学校によって違いがありますので、どの学校に興味があるかピックアップして、それぞれの学校の入試制度をしっかり調べておくといいでしょう。
どうやって選ぶ?
少し具体的に事例を紹介します。
例えば地道に努力を続けてきて内申点は高いが、筆記試験の得点に不安がある人は、推薦入試を選ぶと高い内申点を軸に高校を選べるので、色んな高校に合格できる可能性があります。
また、逆に内申点はなかなか上げられないが筆記試験で高い得点が取れるようでしたら、一般入試を中心に考えるといいでしょう。
また、「この学校に行きたい!」という高校が明確に見つかった場合は、推薦入試を前向きに検討して欲しいところです。
推薦入試は一般入試より先に行われることがほとんどで、その場合は仮にうまくいかなくても一般入試で再度受験することが可能です。チャンスが2回に増えるという意味で、志望校に合格する可能性が高まります。
一方で、いくつかの高校で迷っているとか、特に行きたい高校が見つからないような場合、推薦入試で合格してしまうとその学校に進学する必要があるので(一部「併願推薦」を除く)、推薦入試の受験は避けた方がいいでしょう。
一般入試についていうと、公立高校の場合は内申点と筆記試験の得点が半々に評価されたり、内申4:筆記6と少し筆記試験が重たくなったりするケースが多いようです。推薦でも一般でも内申点は重要な要素になっているので、学校の普段の学習にしっかり取り組み、高い内申点を目指していくことはどの学校を受けるにしても非常に大切なポイントです。
一方で、私立高校の一般入試のほとんどは、内申点は考えず筆記試験の得点のみが評価対象になります。受験科目は英語・数学・国語の3科目が多いのですが、理科・社会を含めた5科目の高校もあれば、数学のみ・英語のみなどの単科入試という制度のある高校もあります。
私立高校の場合は入試制度に高校の考え方が現れるケースが多いので、自分にあった入試制度のある高校を選ぶ、というのもいいかもしれませんね。
まとめてみると
公立の場合
推薦 |
一般 |
|
内容 |
面接、小論文など |
筆記試験 |
評価対象 |
内申点が大部分 |
筆記得点と内申点 |
特徴 |
合格=進学 |
自校作成問題や特色検査など自治体によって制度がまちまち |
私立の場合
推薦 |
一般 |
|
内容 |
面接、小論文など |
筆記試験 |
評価対象 |
内申点が大部分 |
筆記得点のみ対象となるものがほとんど |
特徴 |
スポーツ枠、英語特化枠など学校の特色がある 「併願推薦」のある学校も |
人気のある高校の筆記試験は非常に難解 学校によってかなり制度に特徴が現れる |
このように、多くの入試制度においては内申点が重要な判定材料になります。
中1〜中2のうちは、日々の学習に力を入れつつ内申点を目標に進めていき、中2の夏頃からはどの高校を受験するか考え始め、中3の夏には志望校を絞って入試制度を踏まえた準備を進める、という流れが良いと思います!
家庭の中でもしっかりコミュニケーションを取って、受験を受ける子ども本人が納得いくような受験の形が見つけられるといいですね。
次回は、重要だという「内申点」について詳しく解説していきます!
筆者:金澤 浩(かなざわ ひろし)
大手学習塾で20年以上指導し、様々な生徒を合格に導く。
現在は共育コンサルタントとして講演会や個別での進路選択や学習の支援に取り組む