2025/03/18

中学生応援コラム 第5回「定期テストってなんだろう 高得点を取るために必要なこと」

皆さん、こんにちは!


このコラムでは、中学生が学校の勉強をスムーズに進め、良い高校入試を迎えるサポートをするために、学校の勉強や入試に向けて取り組むべきポイントをお伝えしていきたいと思います!

 

 

 

ここまで、内申点が大事だということをお伝えしてきましたが、今回は内申点を高めるための重要なポイントの一つである「定期テスト」について詳しく説明していきます。

 

 

定期テストとは

定期テストは、3期制(1学期・2学期・3学期と分かれる制度)では通常年5回、2期制(前期・後期と分かれる制度)では通常年4回行われる、各科目の理解度を確認するテストです。

定期テストが行われる時期はだいたい決まっており、テスト期間中は1日につき2〜3科目程度のテストのみが行われるため、午前中で終わる日が2〜3日続く形になります。

 

一般的には、中間テストでは主要5科目、期末テストや学年末テストでは9科目全てのテストが行われます。

各テストの試験範囲はテストのおおよそ1〜2週間前に告知され、その頃から「テスト期間」として部活動が活動休止になる学校が多いようです。

学校の先生が内申点をつける基準は3つある(知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度)ということを第3回のコラムでお伝えしましたが、定期テストは知識・技能の大部分、思考・判断・表現の一部を占めるため、定期テストで高得点を取ることが内申点を高めるためにストレートにつながる、と考えていいでしょう。

 

では定期テストで高得点を取るために必要なことはなんなのか。それはズバリ、「試験範囲が出たらすぐに準備を始める」ことなのです。

 

 

 

 

 

定期テストの準備

2週間も前から準備を始めたらやることがないと考える生徒や、授業をちゃんと聞いているから理解できていると感じる生徒もいるでしょう。

でもそういう生徒も、定期テストに向けてやることはまだまだたくさんあります。

 

物事を習得する手順は(0)知らない から、(1)知る (2)わかる (3)できる (4)教えられる とレベルアップしていきます。

授業を聞いていたから「わかる」というのはまだレベル2ですよね。定期テストで高得点を取るにはレベル3が必要です。

授業を聞いているだけで「できる」という子もいますが、それはレアケースで、普通はレベル3に行くための練習が必要になります。

 

その練習とは、教科書・授業プリント・副教材・問題集などに出てくる問題を実際に解くことです。

すらっと解ける問題は一回やってそれで終わりで大丈夫なのですが、中には「あれ?どうやって解くんだ?」という問題が出てきます。

ここが勝負どころで、まずは答えを見ずに解説を読んでください(なので、問題集を買うなら解説がしっかりしているものを探してみてください)。

 

解説を読んで理解する能力はとても大切で、入試に限らず「難しい論理的な文を読んで理解する」という力は社会に出ても必要になるものですので、我慢をしながら解説を読んで一つずつ順を追って理解していく。解説で分からないところがあったら、学校や塾の先生に質問をしてみてください。

そして理解できたら問題を解いてみて、正解できるかを確認した上で、問題に印を打ちます。

 

数日経ったら、その印を打った問題「だけ」を解いてみて、すらっと解けるようになっているかを確認していくのです。

 

これをやっていると、結構時間がかかりそうではないですか?

この作業を全ての科目、全ての範囲で行うとしたら、2週間あっても全部終わるかどうか、という分量になります。

 

 

 

 

実際には全ての科目・全ての範囲で行うのは難しいことが多いので、多少の取捨選択を行い、特に苦手なところに時間をかけていくのがいいでしょう。

苦手なところはレベル2まで到達していない可能性もあるので、まずは1から2にステップアップするために教科書や動画などで理解することが必要になるでしょう。

 

 

 

ここで説明した学習方法やレベルの見分けは、入試に向けても非常に使えるやり方ですので、ぜひ中1の頃から試してみてください!

 

次回ももう少し定期テストの話を。「計画」と「実行」の大切さと難しさについてお伝えしていこうと思います!

 

 


 

筆者:金澤 浩(かなざわ ひろし)

大手学習塾で20年以上指導し、様々な生徒を合格に導く。
現在は共育コンサルタントとして講演会や個別での進路選択や学習の支援に取り組む

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