はじめに
高校の面接の自己PRは、あなた自身を知ってもらう絶好のチャンスです。ただ、自己PRは「完璧」である必要はありません。大切なのは、自分の個性や強みを伝えて、面接官の先生にあなたを印象づけることです。
今回は、高校入試での自己PRを成功させるための具体的な方法を詳しく解説していきます!
高校の面接の自己PRとは
自己PRが求められる理由
高校の面接で自己PRが求められる理由として、「学校側が進学希望者の性格や価値観を把握するため」が挙げられます。面接官の先生は、あなたがどのような人物で、この学校で何を学びたいのか(どんな風に成長したいのか)を知りたいのです。自己PRを通じて、あなたの「人となり」をしっかりと伝えることが大切です!
自己PRで評価されるポイント
面接官が自己PRで重視するポイントは以下の通りです。
論理性・具体性・誠実さ・情熱。
これらのポイントを意識して自己PRを作成することで、面接官に好印象を与えることができます。
自己PRの基本構成と準備
自己PRの3つの基本要素(結論・エピソード・今後の展望)
自己PRを作成する際は、以下の3つの要素を盛り込むことが重要です。
論理的で理解しやすい内容になるよう、意識しましょう!
・結論: 自分の強みをひとことで言い表す。 例:「私は責任感が強く、。」
・エピソード: 具体的な経験や出来事を紹介する。 例:「部活動のバスケットボールチームで、キャプテンとして仲間をまとめ…」
・今後の展望: その強みをどのように高校生活で活かしたいかを話す。 例:「この経験を通じて、将来はリーダーシップを活かして…」
自分の強みを見つける方法
自分の強みを見つけるためには、以下の方法が役立ちます。
・友人や保護者に聞く
自分をよく知る身近な人たちに、自分の良さや強みを尋ねてみましょう。
これは「他己分析」とも呼ばれており、客観的意見を取り入れることができます。
・過去の成功体験を振り返る
自分が成功した経験や誇りに思っている出来事を思い出し、そこから自分の強みを見つけていきましょう。
ワークシートを用意し、自分の強みや成功体験を書き出すと良いでしょう。
・リストを使う
自分に当てはまる性格やスキルのリストを使用し、自分に当てはまるものを確認していくのもよいでしょう。
特に性格については自分が短所だと思っているものを長所に言い換えることもできます。
下のリストを使って、自分の性格について把握してみてください!
短所
長所
理屈っぽい →
分析力がある
思慮深い判断力
情報の活用が得意
神経質・気にしすぎ →
注意深さ
誠実さ
高い責任感
目立ちたがり →
リーダーシップ
高いコミュニケーション能力
自己表現が得意
飽きっぽい →
多様な興味関心
柔軟性
創造的思考
人の意見に流される →
協調性
オープンマインド
共感力
マイペース →
自己管理能力
ストレス耐性
独立心
せっかち・雑 →
迅速な行動力
効率性
創造力を活かす
計画性がない →
柔軟性
冒険心
即興力
冷たい →
冷静な判断力
芯の強さ
理論的思考
完璧主義者 →
高いクオリティ意識
持続的な向上心
責任感
負けず嫌い →
強い競争心
挑戦意欲
自己成長の意識
面倒くさがり →
効率的な思考
優先順位をつける力
簡潔さへの追求
楽観的 →
ポジティブ
柔軟な対応力
周囲を引き寄せる力
優柔不断 →
慎重さ
多角的な視点
共感力
自信がない →
謙虚さ
自己反省力
他者のサポートが得意
視野が狭い →
専門性の高さ
集中力
特定の物事に特化
高校の求める生徒像を調べる重要性
志望校の教育理念や求める人物像を把握することは非常に重要です。学校のパンフレットや公式サイトをチェックすると、情報収集がしやすいですよ。
例えば志望校が「自主性」を重視している場合、自己PRに「自ら行動を起こした経験」を盛り込むと効果的です。ほかにも、志望校が「規律」を重んじる場合、自己PRに「規律を守った経験」や「ルールを順守しながら達成した成果」を盛り込むとよいですね。
実際に使える自己PR例文集
ここでは、実際に使える自己PRの例文をテーマ別に紹介します。また、そのテーマ以外に、自己PRに盛り込まれているアピールポイントも解説します!
成績や勉強への意欲をアピールする例文
①「私は常に勉強に対して強い意欲を持っております。特に数学では、過去に全国模試で成績が上位に入り、友人と勉強を教え合うことで学びを深めました。」→「全国模試」という明確な実績のアピール + 「友人と勉強を教え合う」という社交性と創造性のアピール
②「私は自学自習を意識しており、夏休みには英語の単語を毎日20個覚える計画を立て、着実に実行へと移しました。
その成果として60点台だった英語の成績が夏休み後に80点台まで伸びました。」→「計画を立て、実行へと移す」という計画性と実現力のアピール + 20点UPしたという確実な数字のアピール
部活動や特技をアピールする例文
①「私は吹奏楽部に所属しており、サックスを担当しています。
毎朝1時間の自主練習を行い、地区大会で金賞を受賞した経験があり、この経験から粘り強さを学びました。」→「自主練習を行う」という主体性のアピール + 「地区大会で金賞」という客観的な実績のアピール
②「私の特技はダンスです。毎週の練習を通じて、メンバーとの団結力が高まりました。
自身も表現力の向上ができ、学校行事での発表にも積極的に参加しました。」→「メンバーとの団結力」という社交性のアピール + 「学校行事での発表にも積極的に参加」という積極性のアピール
性格や人間関係の強みをアピールする例文
①「私は協調性があり、クラスのイベントを団結して成功させるために率先して行動します。文化祭では、全員が楽しめるようにプランを立てました。」→「率先して行動する」という積極性のアピール + 「全員が楽しめるようにプランを立てる」という創造性と人を引き込む力のアピール
②「リーダーシップを発揮することが得意です。部活動では、チームの雰囲気を大切にしながら、みんなを引っ張る役割を果たしています。」→「チームの雰囲気を大切にする」という協調性のアピール + 「皆を引っ張る役割を果たす」という指導力と責任感のアピール
自己PRを効果的に伝える練習方法
面接練習の具体的なステップ
STEP1 自己PRを整理する
自分の強みや経験を整理して、文章にまとめましょう。
STEP2 実際に声に出して録画する
自分の話し方を確認するために、録画することも有効な手段です。
STEP3 先生や友人、保護者と練習する
一緒に練習して、フィードバックをもらいましょう。
良くあるミスと改善方法
・抽象的すぎる内容
漠然とした表現を使ってしまうと、面接官に伝わりません。
具体的なエピソードや数字などを交えて説明することが重要です。
・丸暗記で失敗
自分の言葉で話さず、丸暗記してしまうと自然さが失われます。
内容を理解し、自分の言葉で表現する努力をしましょう。
なにを一番伝えたいかを明確にしておくとよいです。
面接官に響く話し方のコツ
話し方にも工夫が必要です。以下のポイントを意識してみてください。
・声の大きさ
声をしっかりと出しましょう。特に初対面の人には印象が大切です。
・間の取り方
話すときに少し間を持たせることで、言葉を噛まずに伝えることができます。
一文終わるごとに「1」と心の中で唱えたり、一呼吸したりすると、自分自身も落ち着いて話すことができますよ。
・目線の使い方
面接官の目を見て話すことで、自信や誠実さを伝えることができます。
目を見ると緊張してしまうという人は、目と目の間、あるいは鼻の先をみるのも良い手です。
・身振り手振り
手を使って適度に身振りを加えることで、言葉の内容を強調したり、興味を引いたりすることができます。
リラックスするのにも使える場合がありますので、是非活用してください。
面接当日の自己PRの注意点
緊張を和らげる方法
面接当日の緊張を和らげるために、以下の方法を試してみましょう。
・深呼吸: 心が落ち着いてスムーズに話せるようになるといわれています。
・事前準備: 準備をしっかりしておけば、自信を持って臨むことができます。
・リハーサルの活用: リハーサルを通して慣れておくと、当日イレギュラーが発生しても対応できます。
自己PR以外の質問への対応法
面接官からの質問には、自己PRとの関連性を意識した回答が大切です。
例えば「他にどのような強みがありますか?」という質問には、自己PRで触れた内容を補足する形で答えられると良いでしょう。
また、質問内容が分からなかった場合は、素直に繰り返して理解を確認しても問題ありません。
高校の面接で成功するためのQ&A
Q1. 面接で頻出の質問はなんですか?
A. ここでは面接で頻出の質問と、その回答の一例を出します。
「なぜこの学校を志望しましたか?」 →「御校は自分の夢に向かって成長できる環境を整えており、特に部活動が活発に行われている点に魅力を感じています。」
「学業以外で力を入れていることはなんですか?」 →「学業以外では、部活動があげられます。現在、吹奏楽部でパートリーダーを務めています。ここで培ったリーダーシップを大切にし、仲間をまとめて目標を達成することに力を入れています。」
「友人からどのような人だと言われますか?」 →「友人からは協調性がある人だと言われます。クラスの行事や部活動において、誰とでも仲良くコミュニケーションを取れるよう心掛けています。」
「学校生活で大切にしていることは何ですか?」 →「私は仲間との絆を大切にしています。友人と協力し合いながら、楽しい思い出を作ることが、学校生活を豊かにすると思っています。」
Q2. 高校の面接で自己PRをするのはどのくらいの時間ですか?
A. 一般的に、この時間は約2〜3分程度です。
コンパクトに、自分の強みや経験を伝えることを心がけましょう。
Q3. 高校の面接で笑っても大丈夫ですか?
A. もちろん大丈夫です。ただ、話している内容と場にふさわしいかどうかを見極めて、相手に失礼がない範囲で笑いを交えるとよいでしょう。
Q4. 高校の面接でうそをつくのは違法ですか?
A. 大きく罰せられることは少ないかと思います。
しかし、面接の場では、「誠実であること」が最も重要です。
面接官の先生に信頼されるためにも、自分の実際の経験や気持ちを正直に伝えることが大切です。
Q5. 高校の面接で緊張しているか聞かれたらどう答えればよいですか?
A. 正直にその時の気持ちを伝えるので問題ありません。「はい、少し緊張していますが、今はこの面接を楽しみにしている気持ちもあります。」など返答しましょう。
緊張感を否定せずに、前向きな気持ちを伝えることができます。
面接官の先生も、みなさんが緊張していることはわかっています。
緊張していなかったら「いえ、何度も練習を重ねてきたこともあり、緊張という気持ちは薄いです。」などと返答するとよいでしょう。
自信が伝えられますね。
Q6. 高校の面接のノックは何回ですか?
A. 高校の面接では、ノックは「3回」が一般的です。焦らず、ゆっくりとノックしましょう。
Q7. 高校の面接で校風とはなんですか?
A. 高校の面接での「校風」とは、その学校が大切にしている価値観や文化のことを指します。自由で自主的な学びを重視する校風や、規律を重んじる校風などがありますので、志望校の特徴を把握しておくと良いでしょう。ホームページやパンフレットでの情報収集がカギになりますね。
Q8. 高校の面接で「わかりました」はダメですか?
A. 「承知いたしました」「かしこまりました」という返答をすると、より丁寧さが伝わります。ただ、「わかりました」を絶対に使ってはダメというわけではありません。そこに注意がいってしまい、受け答えの内容が疎かになってしまうと元も子もないです。
Q9. 高校の面接で逆質問されたら「特にありません」と答えてもいいですか?
A. 「特にありません」と答えるのは避けた方が良いでしょう。逆質問は、志望校に対する熱意を示すチャンスですので、何か具体的に質問を用意しておくことが望ましいです。ただ、どうしてもない場合は
「オープンスクールでたくさん質問をさせていただきましたので大丈夫です。」
などと答えると入学したいという意欲は十分に伝わるかと思います。
Q10. 高校の面接で短く答えるのはNGですか?
A. 短く答えることがNGというわけではありませんが、ポイントを押さえながら、少し言葉を足すと良いでしょう。自分の考えや意見をしっかりと伝えるためには、必要に応じて具体例を交えた説明が重要になります。だらだらと話すのではなく、3文程度を目安にするのもよいです。志望校、面接官によってタイプが違うこともあります。
相手にあわせて変えられるとよいでしょう。
Q11. 高校の面接で「貴校」は使ってはいけないですか?
A. 面接で話すときは「御校」という話し言葉を使用するようにしましょう。
「貴校」という表現は、基本的には書き言葉です。
ただし、場面によっては一般的な「学校」と言うことが望ましい場合もあるので、自然に話せる言葉を選ぶようにしましょう。
Q12. 高校の面接でやってはいけないことはなんですか?
A. 高校の面接でやってはいけないことには、以下のような行動があります。
・敬意を欠く態度: 面接官に対して礼儀を忘れないことが重要です。
・単語を丸暗記した内容の棒読み: 自分の言葉で話せるよう心がけましょう。
・自信のない姿勢: 体験や考えをしっかり伝えるために、自信を持って話すことを大切にしてください。
面接だけでは合格できない!筆記試験対策もしっかりと行いましょう!
さて、今回は高校の面接での自己PRについてお伝えしました。しかし、志望校合格のためには面接だけでなく筆記試験の対策も重要となってきます。
学校によっては、推薦入試でも、まれに面接だけでなく筆記試験が課される場合があります。
また、志望校の推薦入試で筆記試験がなかったとしても、万が一推薦入試に不合格になった場合に備えて、つぎの一般入試に備えて、筆記試験の対策をしていたほうが安心です。
筆記試験合格のため、確実に基礎の確認を行いましょう!
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まとめ
一生懸命さやあなたらしさが伝わることが高校の面接では重要です。完璧を求めず、素直に自分を表現することが面接の成功につながります。自分の努力を信じて、堂々と面接に臨んでください!素晴らしい高校生活を送れることを願っています!