【中学理科】日食と月食の違いとは? 仕組みを図解でわかりやすく解説

日食について考えてみよう
日食とは?
日食とは、太陽が月にかくされる現象です。
地球から見て、太陽の前に月がくると、月によって太陽の一部、または全体がかくされてしまいます。
観ているテレビの前に家族のだれかが立ってじゃまをするとテレビが見えなくなってしまいますね!
これと似たようなもので、月がじゃまをして太陽が見えなくなってしまうのです。
日食はいつ起こるの?
日食が起こるとき、地球から見た太陽の前に月がくるので、太陽、地球、月の位置関係は次の図のようになります。

つまり、月を間にはさんで、太陽、月、地球が一直線上に並ぶことになります。
これを、地球の北極側のはるか上から見るとどうなるでしょうか。

このとき、月は太陽の光の当たらない半面を地球に向けています。地球から月を見ることはできません。
つまり、新月です。日食が起こるのは、新月のときなのです。

日食にはどのような種類があるの?
太陽の欠け方などによって、次の3つに分けられます。
部分日食…太陽の一部分のみがかくされる日食
皆既日食…太陽全体がかくされる日食
金環日食…太陽のいちばん外側の部分だけがかくされず、リング状に光る日食

この3つのちがいはどうして起こるのでしょうか?
■部分日食と皆既日食
次の図のように、太陽、月、地球が一直線上に並んだとき、月の影が2種類できます。

本影…太陽からの光が完全にさえぎられてできる影
半影…太陽からの光の一部分のみがさえぎられてできる影
❶図のQ地点、R地点のように、半影に入った地点では、太陽は一部のみがかくされ、その部分が欠けて見えます。
これが部分日食です。
❷図のP地点のように、本影に入った地点では、太陽全体がかくれて見えません。
これが皆既日食です。
❸図のP地点のように本影に入っても、皆既日食とはならない場合があります。
どのようなときでしょうか?
皆既日食のように、月が太陽全体をすっぽりとかくすためには、地球から見た月の見かけの大きさが、太陽より大きくなければなりません。
ところが…! 月の見かけの大きさが太陽より小さければ、太陽全体をかくすことはできません。
このとき、地球から見て太陽と月の中心が重なると、月にかくされなかった部分がリング状に光っています。
これが金環日食です。

まとめると、
月の見かけの大きさが太陽より大きいとき→皆既日食
月の見かけの大きさが太陽より小さいとき→金環日食
となります。
なぜ、月の見かけの大きさが変わるの?
同じものでも、遠くにあるほど小さく見えますね。
月も同じです。月が地球から遠くにあるほど小さく見えます。
「えっ!地球から月までの距離はいつも同じではないの?」と思うかもしれません。
しかし、地球から月までの距離は変わるのです。なぜでしょうか?
月は地球のまわりを公転しています。
もし、月の公転軌道(公転するときに動く道すじ)が、地球を中心とした円であれば、地球から月までの距離はいつも同じです。
したがって、月の見かけの大きさはいつも同じです。
しかし、月の公転軌道は円ではありません。だ円です。
図で、月がAの位置にあるときは、Bの位置にあるときよりも地球から遠く、したがって小さく見えます。

このように、月の見かけの大きさは変化し、その結果、皆既日食であったり金環日食であったりします。
なお、月が地球に最も近いBの位置にあるときに満月になると、月は大きく見えます。
この月をスーパームーンといいます。
「月の見かけの大きさが変わるのはわかったけれど、見かけの大きさが、月と太陽で同じくらいなのはなぜかな?」
と思いませんか。
月の見かけの大きさはやや変わります。しかし、小さな変化はするものの、太陽の見かけの大きさとほぼ同じです。
その理由は…!
太陽の直径は月の直径のおよそ400倍です。一方で、地球から太陽までの距離も地球から月までの距離のおよそ400倍だからです。
何という偶然でしょうか! だれかがそのようにしたわけではありません。
月は地球の衛星です。太陽系には衛星をもっている惑星がいくつもあります。
しかし、それぞれの惑星から見た衛星の見かけの大きさが太陽と同じであるものは、月のほかには存在しません。
日食が観察できる地点はどこかな?
本影に入った地点では皆既日食(または金環日食)が、半影に入った地点では部分日食となることは説明しましたね。

地球は自転しています。この自転によって、本影、半影に入る場所は移動していきます。
これらの影を通る場所でのみ日食が観察されます。それ以外の場所では観察できません。日食が起こったとしても、見られる場所は限られています。
皆既日食(または金環日食)が見られる地点では、まず半影に入って太陽が欠け始め、皆既日食(または金環日食)となり、続いて、欠けている部分がだんだん小さくなっていきます。
日食の進み方(皆既日食の場合)は?
地球の自転によって、太陽は東から西へ1時間に15°動きます(日周運動)。
もし、月が地球のまわりを公転していなかったら、月は太陽と同じく東から西へ1時間に15°動くはずです。
しかし、月は地球の自転と同じ向きに公転しています。
1公転に約27日かかりますが、計算をやさしくするため、これを30日とすると、
1日あたり12°、1時間あたり0.5°公転します。
したがって、月の日周運動は1時間で、15°-0.5°=14.5°となります。
太陽は1時間に15°、月は1時間に14.5°、つまり、日周運動では、太陽の方が月より動きが速いことになります。

太陽は、月を東から西に向かって追いかけていき、月に追いついたときに欠け始めます(日食が始まる)。
そのため、太陽は日周運動の進行方向の西側から欠け始めます。

皆既日食の写真でもわかるように、皆既日食のときには、太陽のまわりに白くかがやく光が肉眼でも見えます。
これは、太陽を取り巻く高温のガスの層で、コロナといいます。
日食はなぜたまにしか起こらないの?
日食はたまにしか起こらないため、起こるときにはニュースになります。
しかし、すでに説明したように、日食は新月のときに起こります。新月は1か月ごとに訪れます。
もし、新月のたびに日食が起こるとすれば、1か月に1回は日食が見られるため、ニュースにはならないでしょう。
なぜ、日食はたまにしか起こらないのでしょうか。
地球は太陽のまわりを公転しています。月は地球のまわりを公転しています。
地球の公転面と月の公転面が同じ平面上にあれば、新月のたびに日食が起こることになります。
しかし、この2つの公転面は、ごくわずか(およそ5°)にずれているのです。

このため、太陽、月、地球が一直線上に並ぶことは、たまにしか起こらず、したがって、日食は珍しい現象として話題になるのです。
次に日食が起こるのは?
今年(2026年)には、2月17日に金環日食、8月13日に皆既日食が起こります。
しかし、残念ながらどちらも日本では観察できません。
2月17日は南極、8月13日は北極付近などでしか観測することはできません。
日食が日本で見られるのは2030年6月1日まで待たなければなりません。このときは、北海道で金環日食が見られます。
(もちろん天気がよければ、ですが…)
日食を観察しよう
■絶対にやってはいけないこと
太陽の光は大変強く、目を傷めるため、次のことは絶対にしてはいけません!

■安全な観察のしかた
ピンホールの利用
厚紙などに小さな穴をあけたものを用意し、穴に太陽の光を通すと、影の中に、欠けた太陽の形をした光が見られます。

日食専用のグラス、遮光板の利用
日本で日食が観察できる日が近づいてくると、安価な専用グラスや遮光板などが販売されることが多く、これらを利用してもよいでしょう。
ただし、中には目の保護の効果が少ない質のよくないものが販売されている場合もあるので注意しましょう!
また、太陽を長時間見ることはやめましょう。
その他
専門家が遮光・減光フィルターなどを用いて特殊な加工を施した双眼鏡や望遠鏡、眼鏡などであれば、それを利用してもかまいません。
ただし、その場合でも、長時間にわたって太陽を見続けることは避けましょう。
月食について考えてみよう
月食とは?
月食とは、月が地球の影に入ってしまい、その一部、または全部が見えなくなる現象です。
電球などの光源を背にして立つと、その前に自分の影ができますね。
この影の中に物(光を出さない物)を入れると、入れる前と比べて暗くなり、見にくくなります。
これと似たような現象が月食です。
月食はいつ起こるの?
月食が起こるとき、地球から見て、太陽とは反対側に月がくるので、太陽、地球、月の位置関係は次の図のようになります。

つまり、地球を間にはさんで、太陽、地球、月が一直線上に並ぶことになります。
これを、地球の北極側のはるか上から見るとどうなるでしょうか。

このとき、月は太陽の光の当たる半面を地球に向けています。地球から月を見ると、太陽の光の当たっている面全体を見ることができます。
つまり、満月です。月食が起こるのは、満月のときなのです。

月食にはどのような種類がある?
月食には、皆既月食、部分月食、半影月食があります。次の図で考えてみましょう。

上の図のように、月の影には、太陽の光が地球によって完全にさえぎられる本影と、太陽の光が一部さえぎられる半影があります。
月全体が本影に入ると皆既月食、月の一部のみが本影に入るのが部分月食、月が半影にしか入らないのが半影月食です。
■皆既月食と部分月食
月全体が本影に入る現象が皆既月食、月の一部が本影に入る現象が部分月食です。

月は、公転によってまず半影に入ります。
(半影の部分は影がたいへんうすいため、肉眼で見ただけではわからないことが多いです!)
やがて本影に入り始め、全体が本影に入ると皆既月食、一部のみしか本影に入らないと部分月食となります。

皆既月食でも、月が真っ暗で全く見えなくなることはほとんどなく、暗い赤色に見えます。
なぜでしょうか?
太陽の光のうち、赤色の光が大気に入るときに屈折したり、大気中のちりなどの粒子にあたって散乱したりすることで、本影に入ってくるからです。
やがて、月は本影から抜け、半影に入り、やがては半影からも出ていきます。
月が半影の部分しか通過しない場合は、半影月食となります。半影の部分は影は大変うすいので、言われないと気づかない場合もあります。

図で地球と月の位置関係を見ると、「月が地球の影を横切った後は満月ではなくなるように思うけれど!」と疑問に思いませんか?
ここで注意しなければならないのは、月が本影を横切るのに、地球を中心に何度くらい動く(公転する)のかです。

地球の直径は月の直径のおよそ4倍、月が横切る本影の直径は月の直径のおよそ3倍です。
また、地球から月までの距離は、地球の直径のおよそ30倍あります。
これらをもとに計算すると、月はわずか1.5°くらい公転すれば本影を通過できることになります。

月食のしくみを表した図では、実際の距離や直径をそのまま同じ割合で縮小して表すことができません。
そのため、わかりやすく説明するために、これらの割合を大幅に変えて表してあります。
月の満ち欠けを説明する図を考えると、月が横切ったあとは満月ではなくなってしまう位置にくるように思います。
しかし、実際は満月の位置からわずか1.5°くらいしか公転していません。したがって、月は満月のままです。

月食の進み方は?
日食の進み方のところで、日周運動の速さは、月より太陽の方が速いことを説明しました。
つまり、太陽による地球の影の動く速さも、月の動く速さより速くなります。
また、月は地球の影に追いつかれたときに欠け始めます。地球の影は東から月に迫ってきます。
したがって、月は日周運動の進行の向きとは逆の東側から欠けていきます。

日食が観察できる地点はどこかな?
日食は、起こったときでも見られる場所が限られているのに対し、月食は、そのとき月が見えていればどこでも観察できます。
月食の頻度は?
月食は満月のときに起こりますが、満月のたびに起こるわけではありません。
これは、日食の場合と同様で、地球の公転面と月の公転面がやや傾いているからです。
ただ、日食は月食よりも頻繁に起こっています。しかし、日食を観察できる地域は限られています。
一方、月食はそのとき月が見える場所ならばどこでも観察できます。そのため、月食の方が多く起こっているように思われがちです。
次に月食が起こるのは?
今年(2026年)の3月3日に皆既日食、2028年7月7日には部分日食が起こります。
いずれも日本で観察できます。
2028年7月7日の部分日食は、欠けたままの月が地平線の下に沈む月入帯食(げつにゅうたいしょく)とよばれる現象が起こります。
※欠けた状態の月が地平線からのぼる現象を月出帯食(げっしゅつたいしょく)といいます。
月食を観察しよう
私たちはいつも肉眼で月を見ています。月食も月を見ることに変わりはないので、安心して肉眼で観察しても大丈夫です。
双眼鏡や望遠鏡があれば、より詳しく月面のようすなどを観察できます。
終わりに
天体の分野は、理解しづらく、また誤った解釈をしがちで、苦手意識をもっているみなさんも多いのではないでしょうか。
このブログを書いている本人も、理系人間ですが、天体は苦手でした(いや、いまも苦手です)。
地球から太陽までの距離は地球の直径のおよそ11740倍、太陽の直径は地球のおよそ109倍です。
これらをそのまま縮小して紙面に表すとします。
地球を直径1cmの円でかいたとすると、この円から11740cm(117.4m)離れた位置に直径109cmの円をかいて太陽を表さなければなりません。
さらに、地球からはるかかなたにあるオリオン座などの星をかきたすことなどは不可能です。
そこで、天体の位置関係などを図に表すときは、紙面におさまるように、また、説明しやすくするように、距離や大きさを大幅に変更してかきます。
さらに、空間で起こっていることを平面に表しますから、イメージしにくく、理解に苦しんだり、誤った解釈をしてしまったりしがちです。
最近では、3次元的にとらえられる動画なども出ていますので、理解を深めるための参考にするとよいでしょう。
日食、月食については、次のことをしっかりおさえておきましょう。
■どんな現象なの?
日食…月が太陽をかくし、太陽が欠けて見える現象(太陽は西側から欠ける)
月食…月が地球の影に入り、月が欠けて見える現象(月は東側から欠ける)
■起こるときの位置関係は?
日食…太陽-月-地球の順に一直線上に並ぶ。(月が間に入る)
月食…太陽-地球-月の順に一直線上に並ぶ。(地球が間に入る)
■起こるときの月の満ち欠けは?
日食…新月
月食…満月
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