【小・中学生から大人まで】わかりやすいSDGs完全ガイド 17の目標と今すぐできるアクションを紹介

SDGsってなに?
テレビや学校の授業、街の中の看板などで「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」という言葉や、カラフルな17個のマークを目にすることがありますね。
SDGsとは、日本語で「持続可能(じぞくかのう)な開発目標(はつもくひょう)」という意味の英語の頭文字(Sustainable Development Goals)を並べた言葉です。
「持続可能」とは、
「ずっと続けていくことができる」
ということです。
つまり、SDGsとは
「地球の環境を守り、世界中の人がずっと幸せに暮らし続けられるように、2030年までに世界中のみんなで協力して達成を目指す17の目標」
のことです。

SDGsはいつ、だれが決めたの?
SDGsは、2015年9月にアメリカのニューヨークにある「国連(国際連合)」の大きな会議で決められました。
この会議で、加盟193か国が全会一致で採択しました。もちろん、日本もこの採択に参加しています。
国や政治家だけでなく、世界中の人みんなが力を合わせて取り組む地球規模の大切なテーマなのです。
「誰一人取り残さない」ってどういう意味?
SDGsの最も大切な考え方は
「誰一人取り残さない(Leave no one behind)」
です。
これは、一部の人だけが幸せになるのではなく、世界中の一人ひとりがみんな大切にされ、すべての人々が安心して暮らせる世界を目指すという意味です。
学校生活で考えてみましょう。
クラスで遊ぶときや行事の準備をするとき、一人だけ仲間外れになったり、困っているのに誰も助けてくれなかったりしたら悲しいですよね。
「クラス全員が楽しく笑顔で過ごせるように工夫する」
「困っている友だちがいたら優しく声をかける」
それと同じ気持ちを、地球全体に広げたのがSDGsの考え方です。
SDGsの「5つのP」を知っておこう
17もある目標の全体像をわかりやすく理解するために、SDGsは英語の「P」で始まる5つのキーワード(5つのP)に分類されています。
1. People(人間)
すべての人が貧しさから抜け出し、健康で平等に生きられること
2. Prosperity(豊かさ)
自然と調和しながら、全員が豊かで安心して暮らせること
3. Planet(地球)
気候変動を防ぎ、海や森などの地球環境を未来へ守り引き継ぐこと
4. Peace(平和)
恐怖や暴力のない、平和で公正な社会を作ること
5. Partnership(パートナーシップ)
国や地域、世代を超えて、全員が強い絆で協力し合うこと
この「5つのP」を頭に入れておくと、17の目標がどのような未来を目指しているかがぐっとイメージしやすくなります。
SDGsの17の目標をくわしく見てみよう
ここからは、SDGsが掲げる17個の目標をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
世界の現状や「なぜこの目標が必要なのか」が理解できます。
目標1:貧困をなくそう
〈世界の現状〉
世界には、今日食べるものや住む家に困り、1日数百円以下というとても厳しい環境で暮らしている人が約7億人(約10人に1人)もいます。
〈なぜ大切なの?〉
お金がないために満足に食事ができず、病院や学校に行けない状態をなくし、すべての人が安心して生活の基盤を持てるようにするためです。
目標2:飢餓をゼロに
〈世界の現状〉
世界では約7億3,500万人(約11人に1人)が十分な食べ物を得られず、お腹をすかせて暮らしています。
〈なぜ大切なの?〉
食べ物がなくて健康を害したり命を落としたりする人をなくし、世界中の誰もが毎日栄養のある食事ができる社会にするためです。
目標3:すべての人に健康と福祉を
〈世界の現状〉
世界では、予防できる病気や手当ての遅れによって、5歳までに命を落としてしまう子どもが年間約500万人もいます。
〈なぜ大切なの?〉
予防接種や病院での治療を受けられる仕組みを整え、赤ちゃんからお年寄りまで全員が健康で笑顔で暮らせるようにするためです。
目標4:質の高い教育をみんなに
〈世界の現状〉
世界では、学校に通うことができない小中学生くらいの子どもや若者が約2億5,000万人もいます。
〈なぜ大切なの?〉
読み書きや計算、基本的な知識を身につけることは、将来の選択肢を広げ、自分の力で生きていくためにとても大切だからです。

目標5:ジェンダー平等を実現しよう
〈世界の現状〉
「女の子だから家事をしなさい」「男の子だから泣いてはいけない」といった性別による決めつけや、女性であるという理由だけで進学や就職の差別を受ける問題が今でも世界中に残っています。
〈なぜ大切なの?〉
性別に関わらず、一人ひとりが自分の個性や能力を発揮し、平等に夢を追いかけられる社会を作るためです。
目標6:安全な水とトイレを世界中に
〈世界の現状〉
世界では、約22億人(約4人に1人)が安全に管理された飲み水を使えず、汚れた水を使ったことで病気になってしまう人が多くいます。
〈なぜ大切なの?〉
水は生きるために絶対に欠かせないものです。すべての人がどこに住んでいても安全な水と清潔なトイレを使える環境が必要です。
目標7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
〈世界の現状〉
世界では約6億7,500万人が電気を使えない生活を送っています。また、石油や石炭などの火力発電は二酸化炭素を出し、地球温暖化の原因になっています。
〈なぜ大切なの?〉
太陽光や風力などの地球環境への負荷が少なく、繰り返し利用できる「再生可能エネルギー」を増やし、すべての人にクリーンな電気を届けるためです。

目標8:働きがいも経済成長も
〈世界の現状〉
世界では、学校に通えず過酷な労働(児童労働)をさせられている子どもが約1億6,000万人もいます。
〈なぜ大切なの?〉
子どもが安心して学校に通えるようにし、大人は危険のない安全な環境で「働きがい」をもちながら経済を発展させるためです。
目標9:産業と技術革新の基盤を作ろう
〈世界の現状〉
途上国を中心に、交通の道路、きれいな水道、電気、インターネットなどの社会のしくみが整っていない地域が多くあります。
〈なぜ大切なの?〉
新しい技術やアイデアを活かし、災害にも強く、暮らしを便利で豊かにする産業の土台を世界中で作るためです。
目標10:人や国の不平等をなくそう
〈世界の現状〉
豊かな国と貧しい国の差、同じ国の中でも障害の有無や人種、年齢などによる差別や格差が広がっています。
〈なぜ大切なの?〉
どんな背景をもっている人であっても偏見をもたれず、同じ機会と権利が与えられる社会を目指すためです。
目標11:住み続けられるまちづくりを
〈世界の現状〉
台風や地震などの自然災害の増加、街の老朽化、ごみ問題などによって住みにくくなっている地域が増えています。

〈なぜ大切なの?〉
災害に強く、お年寄りや障害のある人も動きやすく、誰もが安全で快適に暮らし続けられる街を作るためです。
目標12:作る責任、使う責任
〈世界の現状〉
世界で作られている食べ物の約3分の1が捨てられています。そして、このように資源を大量に使い捨てにする生活が地球に負荷をかけています。
〈なぜ大切なの?〉
商品を作る企業も、それを買う私たち消費者も、資源を大切に使い「食品ロス(フードロス)」やごみを減らす責任があるからです。
目標13:気候変動に具体的な対策を
〈世界の現状〉
地球温暖化が進み、世界各地で大型台風や豪雨、大きな干ばつ、猛暑などの異常気象が頻発しています。

〈なぜ大切なの?〉
温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出を減らし、地球の温度上昇を抑えて私たちの命と自然環境を守るためです。
目標14:海の豊かさを守ろう
〈世界の現状〉
海に流れ出るプラスチックごみ(年間約800~1,100万トンと言われています)が魚や鳥などの海の生物を脅かしています。また、魚の獲りすぎも問題になっています。
〈なぜ大切なの?〉
美しい海とそこにすむ生き物たちの生態系を守り、将来も海の恵みを受け続けられるようにするためです。
目標15:陸の豊かさも守ろう
〈世界の現状〉
開発や森林伐採によって毎年広大な森が消えており、数多くの野性動物や植物が絶滅の危機に直面しています。

〈なぜ大切なの?〉
森は酸素を作り、土を守る大切な存在です。森林を守ることで、生き物たちの多様性を維持することができます。
目標16:平和と公正をすべての人に
〈世界の現状〉
世界では、戦争や紛争、暴力によって家を追われ、恐怖の中で暮らしている子どもたちがたくさんいます。
〈なぜ大切なの?〉
暴力や差別をなくし、すべての人が法律で正しく守られ、安心して暮らせる平和な社会を作るためです。身近ないじめをなくすことも平和への第一歩です。
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
〈世界の現状〉
地球上のさまざまな問題は、一つの国や特定の企業だけの力では解決できないほど大きくなっています。
〈なぜ大切なの?〉
先進国も途上国も、政府も企業も、学校も家族も、みんなが連携して「地球に住む全員が一つのチーム」といった気持ちで協力し合うことが目標達成には不可欠だからです。
今日からできる! SDGsの取り組み7選
「SDGsってスケールが大きすぎて、自分には関係ないかも…」と思っていませんか?
そんなことはありません!
私たちの普段の生活での小さな工夫や心がけも、立派なSDGsのアクションです。
今日から学校やご家庭で実践できる7つの取り組みを紹介します。
1. 電気や水を大切に使おう
・使っていない部屋の電気はすぐに消す
・テレビを見ないときは電源を切る
・歯みがき中やシャンプー中は水を流しっぱなしにせず止める

【つながる目標】目標7(エネルギー)、目標13(気候変動)
電気を作るときに発生する二酸化炭素を減らし、大切な水資源を守る活動に直結します。
2. 給食やごはんを残さず食べよう
・自分の食べられる量を考えて盛りつける
・嫌いなものでも一口は挑戦してみる
・賞味期限の近いものから食べる
【つながる目標】目標2(飢餓)、目標12(つくる責任 つかう責任)
「食品ロス」を減らすことで、ごみの焼却時に出る二酸化炭素を減らせます。食材を作ってくれた農家の人や料理してくれた人への感謝の気持ちも大切です。
3. マイバッグやマイボトルを使おう
・買い物のときはエコバッグを持っていく
・外出するときはペットボトルを買わずにマイボトル(水筒)を持ち歩く

【つながる目標】目標12(つくる責任 つかう責任)、目標14(海の豊かさ)
使い捨てプラスチックを減らすことで、海に流れ出るプラスチックごみを削減し、海の生き物たちを守ることができます。
4. リサイクルやリユースをしよう
・牛乳パックや空き缶、ペットボトルはキレイに洗って正しく分別する
・着なくなった服や読まなくなった本は捨てずにほかの人にあげるか、リサイクルショップに出す
・裏紙をお絵かきのときやメモ用紙として使う

【つながる目標】目標12(つくる責任 つかう責任)、目標15(陸の豊かさ)
ごみを減らして資源を繰り返し使うことで、森林伐採を防ぎ地球の資源を守ります。
5. 地域のそうじ活動に参加しよう
・通学路や公園に落ちているごみを拾う
・地域のクリーン作戦や海岸清掃イベントに参加してみる
【つながる目標】目標11(まちづくり)、目標14(海の豊かさ)
自分たちの住む街をキレイに保つことで、快適で住みやすい街になり、雨でごみが海に流れるのも防ぐことができます。
6. 本や新聞で日本以外の国のことを知ろう
・自分がもっている本以外にも、図書館の本や新聞で世界の子どもたちの暮らしについて調べてみる
・海外の文化やニュースに関心をもつ
【つながる目標】目標4(質の高い教育)、目標17(パートナーシップ)
世界の状況を知ることは、すべての行動の第一歩です。「知ること」で思いやりや問題意識が芽生え、助け合いの気持ちにつながります。
7. SDGsについて家族と話してみよう
・学校で習ったSDGsのことや、この記事で読んだことを家族に話す
・「我が家でできる工夫」を家族みんなで話し合ってみる
【つながる目標】目標17(パートナーシップ)
一人で取り組むよりも、周りの人を巻き込むことで何倍もの大きな力になります!
日本や世界のSDGsの取り組みを知ろう
自分たちの取り組みだけでなく、周りの大人たちや世界ではどんな取り組みが行われているのかを知ってみましょう!
日本の学校でのSDGsの取り組み
日本の多くの小学校でも、工夫を凝らしたSDGs活動が行われています。
たとえば、給食の残食ゼロを目指す「ペロリ賞」などのキャンペーンを行ったり、校庭の花壇でコンポスト(生ごみを肥料に変える仕組み)を使って野菜を育てたりする学校があります。
また、使わなくなったランドセルを集めて、アフガニスタンなどの勉強道具が足りない国の子どもたちに贈る活動に取り組んでいる学校もあります。
企業のSDGsの取り組み
私たちがよく知っている企業もSDGsに力を入れています。
・飲料メーカー
使い終わったペットボトルを回収して、何度も新しいペットボトルに生まれ変わらせる「ボトルtoボトル」のリサイクルを行っています。

・衣料品メーカーや衣料品販売店
着なくなった服を店舗で回収して、難民の人々に届けたり、新しい服の材料にリサイクルしたりしています。
・スーパーマーケットやお菓子メーカー
プラスチック製のストローやスプーンを紙製や木製に変えたり、包装パッケージをスリムにしたりしてプラスチックの使用量を減らしています。
世界での取り組み
世界規模での取り組みも見てみましょう。
たとえば、国連WFP(国連世界食糧計画)による「学校給食プログラム」があります。
途上国の学校で栄養価の高い給食を提供することで、子どもたちの栄養状態を改善し、「給食が食べられるから学校に行こう」と子どもたちが学校に通うきっかけを作っています。これにより、目標2(飢餓)と目標4(教育)を同時に解決する素晴らしい取り組みとなっています。
まとめ SDGsは一人ひとりのアクションから始まる
今回は、SDGsの基本的な意味から17の目標、そしてみなさんが今日から実践できる具体的アクションについて紹介しました。
SDGsは、遠い国や偉い人たちだけが考える難しいテーマではありません。私たちが毎日過ごす家や学校や地域でのちょっとした行動や選択としっかりつながっています。
「電気をこまめに消す」「ごはんを残さず食べる」「やさしく声をかける」といった小さなアクションでも、世界中の人々が一緒に行えば、地球をより良い方向へ変える大きな力となります。
2030年の未来を作る主人公は、ほかでもないみなさん自身です。
まずは自分ができる「小さな一歩」を見つけて、今日から楽しみながら取り組んでみましょう!
SDGsを学ぶのにおすすめの文理の教材
大人の教科書ワーク(中学生向け)
大人向けのワークですが、小学生・中学生のみなさまも学びやすい内容・構成です。SDGsに関連するテーマもあります。
※ここには取り上げていませんがこのシリーズでは「数学」も発刊しています。
