中高一貫校ってどんな学校? 公立中高一貫校適性検査についても紹介
1. 中高一貫校とはどんな学校?
中高一貫校とは、中学校の3年間と高校の3年間の教育を一貫して行う学校のことを指します。
今回の記事では、そんな中高一貫校についてご紹介します!
中高一貫校の3形態
中高一貫教育については、生徒や保護者のニーズなどに応じられるように、次の3つの実施形態があります。
中等教育学校
中等教育学校は、中学校と高校の学習課程を統合した代表的なスタイルです。
1つの学校として、一体的に中高一貫校教育を行うので、中高6年間を見据えた一貫した教育課程や学習環境のもとで学ぶことができます。
併設型の中学校・高等学校
併設型の中高一貫校は、県や市など設置者が同じ中学校と高校を接続した形態です。同じ敷地内に中学校と高校が併設されていることが多いです。
併設型の学校は、中学校から高校へ上がる際、入学者選抜は実施されません。試験なしで、高校へ進学することができます。
連携型の中学校・高等学校
連携型の中高一貫校は、県や市など設置者が異なる形で中学校と高校が連携している形態です。
教育課程の編成や先生・生徒間交流などの連携を深めるかたちで中高一貫教育を実施しています。
出展:文部科学省HPより引用して抜粋(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ikkan/2/1316125.htm)
中高一貫校の種類
中高一貫校には、国立、私立、公立の学校があり、それぞれ特徴があります。
国立附属中
国立中学は、国立大学に付属した中学校です。
私立中学に比べると学費が安いことが多く、学費を抑えながらも先進的な教育を受けられるということで、人気があります。
大学の実験校として設立した経緯もあり、大学の最新の研究を生かした教育が受けられます。国の教育の研究機関ともいえます。
ただし、進学を最重視した教育ではないため、大学受験への対策は、家庭など各自で行う必要があります。
入試形式については、筆記試験、運動能力試験、面接、小学校からの報告書などがありますが、学校により異なります。
私立
私立中学校は、充実した教育環境をもとに、自学自習の学力育成や進学に注力しています。
学校独自の教育方針が特徴で、全国に校数が多くバリエーション豊かなので、お子さまの希望により沿った学校を選びやすいといえます。
時代の流れにあわせて、英語教育やプログラミング教育など、教育内容や指導方法を柔軟に変化させています。
入試形式については、多くの学校で国語・算数・理科・社会の4科目筆記試験を行っていますが、学校によって大きく違いがあります。
筆記試験の内容は、小学校の勉強のみだと対応できないケースも多く、別途対策が必要です。
公立中高一貫校
公立中高一貫校は、学費を比較的低く抑えながら6年間一貫した環境で学ぶことができます。
基本的には学習指導要領にそって授業が行われますが、一般的な公立中学校とは異なるカリキュラムが組まれてたり、授業時間や補修が多く確保されていたりします。
6年間を通じて、特色のある学習指導がなされ、多様な学びで柔軟な思考力を身につけられるということが公立中高一貫校の魅力といえます。
公立中高一貫校は、近年人気が高まっていて、入試の倍率がとても高くなります。
入試形式については、後ほど詳しく解説していきます。
2. 中高一貫校に通うメリット・デメリット
一般的な公立中学校と中高一貫校では、様々な違いがあります。そこにはメリットもありますが、デメリットとも捉えられるものがあります。
中高一貫校に通うメリット
高校入試の影響を受けずにゆとりある学校生活が送れる
多くの場合、中高一貫校には高校受験がないため時間的なゆとりが生まれ、のびのびと学校生活を送ることができます。
部活動に打ち込んだり、興味のある教科について探求したりと、自分の好きなことに取り組みやすい環境と言えます。
6年間にわたり一貫した教育が行われる
中高一貫校では、6年間という期間で中学校と高校のカリキュラムを一貫して提供しています。
一貫して教育カリキュラムに連携がとれていることから、質が高い授業で効率良く学習を進めることができます。
中1~高3の異なる年齢の生徒が集まることで、より豊かな社会性や人間性が養える
中高一貫校では、中学生と高校生が同じ環境のなかで生活します。部活動やイベントを中高合同で行っているところも多いです。
そのため、幅広い年齢層の仲間とコミュニケーションをとる機会が多く、社会性や人間性を豊かにしてくれます。
また、中学生にとっては少し先のことに感じられる大学受験も、高校生と過ごすことで身近に感じ中学生の段階で大学受験を意識して学ぶことができます。
中高一貫校に通うデメリット
小6で受験のプレッシャーがかかる
こちらは通う前のデメリットになりますが、12歳の子供たちにとって初めての受験は大変緊張するものです。
このプレッシャーに押しつぶされてしまわないように、心と身体のケアがとても大切です。
環境や人間関係が固定化してしまう
中高一貫校では、基本的に学習環境や生徒間の人間関係に変化がありません。
校風が合っていたり、友人に恵まれた場合はメリットとなりますが、校風やクラスになじめなかった場合、環境や人間関係に変化がないのがつらいと感じてしまう場合もあります。
高校入試がないので、モチベーションの維持が難しい
中高一貫校は、多くの場合高校受験がありません。
高校受験がないために、勉強のモチベーションを保つのが難しく感じることもあるかもしれません。
3. 公立中高一貫校の受検
公立中高一貫校では、いわゆる入学試験は行われません。学力検査ではなく、6年間の一貫教育に適正があるかどうかをみるための適性検査が行われます。
こちらでは、公立中高一貫校の受検について解説します。
選抜の種類と内容
報告書(調査書)
報告書とは、小学校の先生が作成する資料で、外国語を含めた9教科の成績をメインに、特別活動や行動、出欠などを記録したものです。
適性検査
適性検査は、私立中学校で行われる教科別の学力試験の代わりとなるもので、出題内容は学校によって様々です。
小学校6年間の学習内容をもとにした、思考力・判断力・表現力を問われる出題内容となっています。
作文
与えられた文章を読みとり、それに関する課題について自分の体験や経験、知識を絡めながら400字程度の作文を課す学校が多いです。
一部、作文の実施がない学校もあります。
面接
個人面接や集団面接、グループ活動など、学校によって形式が異なります。
一部、面接の実施がない学校もあります。
適性検査の内容
適性検査には、小学校6年間の学習内容の範囲内からしか出題をしてはならないという制約があります。
これまで学んだことや身につけた知識を総合的に使って答えを導き自分の考えを表現する問題で、多くの場合は科目の垣根を超えた教科複合型の出題となっています。
適性検査で出題される問題は、主に以下の3種類に大別されます。
小学校の学習内容の定着と、知識の応用力を見る問題
小学校で習った基礎的な学習内容の定着度と応用力が試されます。
与えられた資料から、課題の発見や解決の工夫などを見る問題
統計資料や、身の回りの事象にまつわる会話・写真・図などから、情報の読み取りや計算処理を行ううえでの課題の発見力・解決の工夫力が試されます。
自らの考えを論理的に表現する力を見る問題
資料・文章の内容を理解し、自分の考えを論理的に表現する力が試されます。
4. まとめ
中高一貫校について紹介しました。
中高一貫校に入学することは、勉強面でも生活面でも多くのメリットがあります。
一方で、6年間同じ環境で過ごすことがデメリットとなり得る場合もあります。
学校ごとに特色が違いますので、気になる学校があれば、学校のHPなどで納得いくまで調べてみることが大切です。