小論文の書き方を初心者向けに解説! 中学生もスラスラ書ける5ステップ

はじめに
「高校入試で小論文が必要になったけれど、何を書けばいいのかわからない」
「作文なら書けるけれど、小論文と言われると手が止まってしまう……」
そんな悩みを持つ中学生は少なくありません。
近年、高校入試や推薦入試において、思考力や表現力を問う「小論文」を採用する学校が増えています。
小論文は、単なる文章力だけでなく、社会の出来事に対して「自分はどう考え、それをどう他者に伝えるか」という論理的思考力を測る重要な試験です。
この記事では、小論文の基本から、作文との決定的な違い、そして誰でもすぐに実践できる「合格するための5ステップ」を詳しく解説します。
この記事を読み終える頃には、小論文の「型」が身につき、自信を持って原稿用紙に向かえるようになっているはずです。

小論文とは? 作文との違いを理解しよう
小論文の対策を始める前に、まず理解しておかなければならないのが「作文と小論文は、全く別物である」ということです。
ここを勘違いしたまま書き始めてしまうと、良い文章を書いても「評価されない」という結果になりかねません。
小論文は「意見+理由」を書く文章
小論文の本質は、
「自分の考え(主張)とその根拠(理由)を、筋道立てて論理的に説明すること」
にあります。
小論文では、自分の感情だけでなく、それを筋道を立てて説明する力が問われます。
「私は〇〇だと思う。なぜなら、~だからだ(身近な例などで根拠を示す)」
というように、自分の意見とそれを裏づける客観的な理由をセットで提示することが必須です。
読んでいる人を「なるほど、その通りだ」と納得させることが小論文のゴールとなります。
作文は「体験+感想」を書く文章
一方で、これまで学校の宿題などで書いてきた「作文」は、
「自分の体験や、その時に感じた気持ちを自由に表現すること」
が目的です。
「今日は運動会があって、とても嬉しかった」「昨日の遠足は楽しかった」といった、個人の主観的な感想が中心になります。
読み手に自分の「気持ち」を伝えることがゴールであり、そこに論理的な正解や客観的な証拠は必ずしも必要ありません。
小論文と作文の違いを比較表でチェック
違いを一目でわかるように表にまとめました。

このように、小論文は「自分の外側にある問題」に対して論理的にアプローチする文章なのです。
小論文を書くための5つの基本ルール
小論文には、内容以前に「守らなければ減点されてしまう」という厳しいルールがいくつかあります。
これらはスポーツのルールと同じで、知っているだけで失点を防ぐことができます。
ルール① 「だ・である調」で統一する
小論文では、文末は必ず「だ・である」調(常体)を使います。
「〜です」「〜ます」という敬体は、小論文においては「会話的、作文的な文」と評価されることがあるため避けましょう。
NG例: 私はスマートフォンの使いすぎに反対です。
OK例: 私はスマートフォンの使いすぎに反対だ。
また、文章の途中で「〜だ」と「〜です」が混ざってしまう(文体の混合)のも大きな減点対象です。最後まで「だ・である」を貫きましょう。
ルール②原稿用紙の使い方を守る
中学生が意外と忘れがちなのが、原稿用紙の基本的なマナーです。
1.段落の書き出し
新しい段落の最初は必ず1マス空ける。
2.句読点(。と、)
どちらも1マス使う。行の先頭に句読点が来るのはNG。その場合は、前の行の最後のマスの文字と一緒に書き入れる。
3.かぎかっこ(「 」)
小論文でかぎかっこを使う場面はあまりないかもしれませんが、もし使う場合はそれぞれ1マス使います。
4.数字とアルファベット
縦書きの場合は漢数字(一、二、三)を使うのが基本です。
これらは、内容が素晴らしくても「形式不備」として減点されるポイントなので、徹底しましょう。

ルール③「私は思う」「感じた」は使いすぎない
「〜と思う」や「〜と感じた」という言葉を使いすぎると、文章が感想文に近づき、小論文の求められる説得力が弱まってしまいます。
改善前:私は、ポイ捨ては良くないと思う。
改善後:ポイ捨ては、環境破壊につながるため禁止すべきだ。
「〜だと考える」「〜である」「〜と言える」といった断定的な表現や論理的な言い回しを適宜使うことで、あなたの意見がより力強く、知的に聞こえるようになります。
ルール④一文を短くして読みやすくする
一つの文章が長すぎると、主語と述語の関係があいまいになり、何を言いたいのかわからない文になります。
改善前:
私はSNSは便利だと思うが、使いすぎると勉強の時間がなくなり、友達とのトラブルも起きやすくなるので、使用するときに制限があったほうがよいと考える。
改善後:
私はSNSの利用を制限すべきだと考える。確かにSNSは便利だが、長時間の利用は学習時間を奪う。また、対人トラブルの原因にもなり得るからだ。
一文の長さは60文字程度を目安に、適宜句点(。)を打つように心がけましょう。
ルール⑤ 字数制限の「8割〜9割」を必ず埋める
小論文には必ず「600字以内」や「800字程度」といった字数制限があります。これを守ることは最低条件です。
●「〇〇字以内」の場合
1文字でも超えたら減点、または採点対象外になります。最低でも指定文字数の8割以上、できれば9割以上を埋めましょう。
(800字以内なら最低640文字以上、できれば720以上)
●「〇〇字程度」の場合
前後1割(800字なら720〜880字)が目安ですが、基本的には「以内」と同じく、指定文字数の少し手前まで埋めるのが安全策です。
★いずれの場合も、半分しか埋まっていない白すぎる解答用紙は、「考える力が足りない」とみなされてしまうので注意しましょう。
小論文の基本構成「序論・本論・結論」
小論文には、説得力のあり読みやすい「黄金の構成」があります。
それが「序論・本論・結論」の三部構成です。この型に当てはめると、論理の飛躍がない明快な文章になります。
序論(約2割):自分の意見を最初に述べる
最初の段落では、出題されたテーマに対して「自分はどう考えるか」という結論を明確に書きます。
「私は〇〇について賛成だ」「〇〇という意見には反対である」と、自分の立場を最初にはっきりと表明しましょう。
中学生の小論文で最も多い失敗は、最後まで読まないと賛成か反対か、そしてどのような意見をもっているのかわからない文章です。
立場の表明を先延ばしせずに、最初に宣言しましょう。
本論(約6割):理由と具体例で説明する
ここが小論文のメインとなる部分です。序論で述べた意見を支える「理由」を詳しく書きます。
理由は2つから3つ挙げるのが理想的です。「第一に〜」「第二に〜」という接続詞を使って整理しましょう。
また、理由を述べるだけでなく、「実際に私の学校では……」といった自分の体験談や、「調査によると……」という客観的な事実(データ)を付け加えると、説得力が格段にアップします。
結論(約2割):意見をもう一度まとめる
最後は、全体のまとめです。序論で述べた自分の意見を、少し言葉を変えて繰り返します。そして、「以上の理由から、私は〇〇だと考える」という形でしめくくります。
ここで注意したいのは、「新しい情報を入れない」ことです。
最後に「ちなみに、△△についても考えるべきだ」といった新しい話題を始めてしまうと、論点がぼやけてしまいます。
あくまでこれまでの内容を要約して、力強く終わりましょう。
小論文の書き方5ステップ【実践編】
ここまでで、小論文の構成をおさえることはできましたね。
それでは、実際に書き進める手順を確認しましょう。いきなり原稿用紙に書き始めるのは厳禁です。
ステップ① テーマを正しく読み取る
最初に問題文をじっくりと読みましょう。「あなたの意見を述べなさい」なのか「解決策を提案しなさい」なのか、小論文で「何を求められているか」を正確につかみます。
ここを間違えると、どんなに名文を書いても0点になってしまいます。
ステップ② 自分の意見を決める
テーマに対して、自分の立場を決めます。ここで大切なのは「自分が本当に思っていること」よりも「理由がより多く思いつくこと」を選ぶことです。
入試では、限られた時間の中で論理的に説明する力が求められます。そのため、自分が説明しやすい立場を選ぶことも大切です。このことを念頭に置きましょう。
ステップ③ 理由を2〜3個考える
決めた意見に対して、「なぜそう言えるのか?」を自問自答します。
「〇〇だから便利だ」「××というリスクがあるからだ」など、メモに箇条書きにしてみましょう。
ステップ④ 構成メモを作る
原稿用紙に向かう前に、簡単な設計図(構成メモ)を作ります。
制限字数が600字内の場合は、下記のようになります。
序論:私はAに賛成だ。(約150字)
本論:理由は〜。具体例は〜。(約400字)
結論:だからAに賛成だ。(約150字)
このように、「どの段落で何文字使うか」まで決めておくと、書き終えてから字数不足で焦る心配がなくなります。
ステップ⑤ 構成に沿って書き、見直す
メモを見ながら清書します。書き終わったら、必ず読み返しましょう。
以下のチェックリストを見ながら、自分の文章をチェックしてください。
【見直しチェックリスト】
▢ 「求められたこと」を書いているか。
▢ 序論と結論で言っていることが矛盾していないか。
▢ 誤字脱字はないか。
▢ 「だ・である」調で統一されているか。
▢ 指定文字数の9割近くまで埋まっているか。
▢ 接続詞(しかし、だから、第一に)は正しく使えているか。
小論文が上手くなる練習方法
小論文の力は、一朝一夕には身につきません。しかし、正しい方法で練習を続ければ必ず上達します。
まずは短い文章から練習する
最初から800文字などの長文を書こうとすると挫折します。まずは200〜300文字程度の短い文章で練習しましょう。
「制服は必要か?」「中学生にスマホは必要か?」といった自分が書きやすいテーマで、意見と理由を書く練習を繰り返してください。
身近なテーマで意見を考える習慣をつける
普段見ているニュースや学校でのルールについて、「自分ならどう考えるか? その理由は何か?」を考える癖をつけましょう。
「給食の残食を減らすにはどうすればいいか?」といった身近な話題も立派な小論文のテーマになります。
時間を計って書く練習をする
試験には制限時間があります。「600文字なら30分」「800文字なら40分」と時間を決めて練習しましょう。
時間を意識することで、構成メモを効率的に作る訓練にもなります。
書いた文章を見直してもらう
自分では完璧だと思っても、他人が読むと文意が通じないことがあります。
学校や塾の先生、保護者の方に読んでもらい、「理由と意見がつながっているか」「わかりやすいか」を確認してもらいましょう。
客観的なアドバイスが、あなたの文章を磨いてくれます。
小論文でよくある間違いと対策
最後に、多くの中学生がやってしまいがちなミスを取り上げます。このようなミスをしないように注意しましょう。
間違い① 感想文になってしまう
「楽しかった」「感動した」という言葉が並ぶと、それは作文です。
対策
「なぜそう思うのか」を客観的に説明しましょう。「心が動いた」ではなく「〇〇というメリットがある」という視点を持つことで小論文になります。
間違い② 理由が弱い、説得力がない
「なんとなく」「みんなが言っているから」はあなたの意見を裏づける理由になりません。
対策
具体的なエピソードや、予想されるプラス・マイナスの影響を理由に添えましょう。
「みんなが反対している」よりも「人々の健康を損なう恐れがあるから反対だ」といった具体的な理由のほうがずっと説得力があります。
間違い③ 話がずれてしまう
書いているうちに自分の得意な別の話題に論旨が変わってしまうと読み手は理解できなくなります。
対策
書く前に「構成メモ」をしっかり作りましょう。メモさえあれば、途中で論点が飛躍するのを防げます。
間違い④ 文体が混ざっている
「〜だ」と「〜です」が混在していると、採点者に「基本ができていない」と思われます。
対策
最初に「だ・である」で書くと決めて、書き終わった直後に文末だけを指差し確認する習慣をつけましょう。
まとめ:小論文は「型」を身につければ誰でも書ける!
小論文は一見難しそうに見えます。しかし、「型」と「ルール」が決まっているパズルのようなものです。
「序論・本論・結論」の型を守り、字数制限を守り、「だ・である調」の文体で論理的に理由を述べる。
この基本さえマスターすれば、どんなテーマが出ても対応できるようになります。
文章を書く力は、高校入試だけでなく、その先の大学受験や社会人になってからも、あなたを助けてくれる一生の武器になります。
まずは身近な話題から、自分の意見を書くことから始めてみましょう。
練習を重ねれば、必ずスラスラと書けるようになります。今日からさっそく、実践してみましょう!

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