2024/08/30

映画の歴史とは


カンヌ、ベルリンと並ぶ世界三大映画祭の一つ、ヴェネツィア国際映画祭が一昨日開幕しましたね!

ヴェネツィア国際映画祭では、過去に黒澤明監督、稲垣浩監督、北野武監督が最高賞である金獅子賞を受賞しています。
また、昨年開催された第80回ヴェネツィア国際映画祭では濱口竜介監督の『悪は存在しない』が銀獅子賞(審査員大賞)を受賞したことで、大変話題になりました。

さて、1932年にはじまったこのヴェネツィア国際映画祭。
最も歴史のある国際映画祭だといわれていますが、皆さん、そもそも映画のはじまりはいつか知っていますか?

今日は映画の誕生から現代まで、その歴史を一緒に探ってみましょう!

 

 

 

 

映画の始まり

キネトスコープの誕生

映画が誕生する前、人々は絵を動かして見せる「動く絵」のようなものに夢中でした。
そんな中、19世紀後半にアメリカの発明家トーマス・エジソンが「キネトスコープ」という装置を発明しました。
この装置は箱の中にフィルムを通し、それを上部についている覗き穴から覗き、動く映像を見るものでした。
今ある映画館のようにみんなで一緒に観るのではなく、1人ずつ見るものだったのです。

 

 

シネマトグラフの誕生

しかし、「キネトスコープ」による映像はまだ映画と呼べるものではありませんでした。
「映画」が誕生したのは、フランスのリュミエール兄弟が「シネマトグラフリュミエール(別名:シネマトグラフ)」を発明してからだといわれています。
「シネマトグラフリュミエール」はカメラと映写機が一体となった装置で、1895年にパリで初めて一般公開されました。
公開された「映画」は10編からなる実写映画。彼らが撮影した『リュミエール工場の出口』という短い映像が「映画」としての第一歩を踏み出したものとされています。


たった数十秒の短い映像だったのですが、人々はまるで魔法を見ているかのように驚きました。

動く絵を見たことがなかった人々にとって、実際に動いている映像をスクリーンで見ることは大きな衝撃だったのです。

 

 

 

 

サイレント時代


さて、「映画」といえど、最初は物語性がない映像ばかりでした。
時代が下り20世紀にはいるとストーリー性をもつものの制作がはじまります。

 

また、映画が誕生してからしばらくの間、映画には音がありませんでした。これを「サイレント映画」と呼びます。
サイレント映画は、画面に映し出された映像と、映画館にいるピアニストやオーケストラが演奏する音楽で楽しむものでした。
言葉は画面にテキストとして表示され、観客はそれを読みながらストーリーを理解します。

 

セリフがないため、俳優たちは大げさな表情や動きを使って感情を表現しました。
例えば、チャールズ・チャップリンという有名な俳優。彼はその独特な動きや表情で、観客に笑いと感動を届けました。

彼の作品『キッド』や『モダンタイムス』は今でも多くの人々に愛されていますね。
この時代、映画そのものの技術もどんどん進化していきました。次第にカメラの動きや編集技術も発展し、より複雑で面白い物語が描かれるようになりました。

 

 

 

サイレントからトーキーへ


1920年代後半、映画に革命が起こります。
「音」の導入です。この音が入った新しいタイプの映画を「トーキー映画」と呼びます。
1927年、映画『ジャズ・シンガー』が公開され、最初のトーキー映画として人々に広く知られるようになりました。

 

この映画では主人公が歌ったり話したりするシーンがあり、観客はその声を直接聞くことができました。
これまでの映画は無音の中で音楽とともに楽しむものでしたが、トーキー映画の登場により、キャラクターの声やセリフ、さらには音楽などを合わせて楽しめるようになり、物語がよりリアルに感じられるようになりました。

 

また、映画に音が加わることで、ストーリーの伝え方も大きく変わりました。
音楽が感情を高めたり、効果音が緊張感を作り出したりと、音の力は映画をさらに魅力的なものにしました。

 

 

 

カラー映画への発展


他にも映画の世界にやってきた大きな変化としては、「カラー映画」の登場が挙げられます。
技術の進化により、カラーフィルムが開発されました。
これにより、白黒の映画ではなく、色が付いた映画を作ることができ、よりリアルで鮮やかになりました。

 

1939年に公開された『オズの魔法使い』は、初期のカラー映画の代表作として有名ですね。

この映画では、主人公がカンザス州の白黒の世界から、魔法の国オズの鮮やかなカラーの世界で冒険するというストーリーです。この映画を見ると、まるで自分たちも魔法の国に迷い込んだかのような気持ちになることが出来ます。

 

 

カラー映画が普及することで、映画は物語の雰囲気や感情をより強く表現できるようになりました。

例えば、ホラー映画では暗い色を使って恐怖感を高めたり、ロマンチックなシーンでは暖かい色を使って愛情を表現したりと、色が映画に与える大きな影響を使えるようになったのです。

 

 

 

デジタル技術やCGによる映画


映画がさらに進化を遂げたのは、デジタル技術とコンピューターグラフィックス(CG)の登場によるものです。
1990年代から2000年代にかけて大きな変化が現れました。
これまでフィルムで撮影されていた映画が、デジタルカメラで撮影されるようになり、映画の編集や特殊効果がコンピューターを使って行われるようになりました。

 

1993年に公開された『ジュラシック・パーク』は、CG技術を使った映画の代表作です。この映画では、恐竜がまるで本物のように動き回り、目の前にいるかのような映像になっています。
CG技術を使うことで、現実には存在しないものを画面上でリアルに表現することが可能になり、映画の世界がさらに広がりました。
デジタル技術やCGの登場により映画の制作がより効率的になり、表現の幅が大きく広がりました。
また、視覚効果や音響効果もデジタル技術によって向上し、より深く映画の世界に皆が没入できるようになったのです。

 

 

 

 

おわりに

映画はその誕生から今日まで、常に進化を続けてきました。

無声映画からトーキー映画、白黒映画からカラー映画、そしてデジタル技術とCGの導入まで、映画の歴史は技術の発展とともに歩んできました。
映画の未来はまだまだ未知数です。
その歴史を振り返り、映画がどのようにして今の姿になったのかを知ることで、映画を観る楽しさがさらに広がるはずです。


是非、多くの映画に触れ、多くの世界に触れてくださいね!

 

 

◆◇今回の執筆者◆◇
MS.
映画が大好きなのですが、社会人になってからろくにみれていなくてつらいです!
『君に読む物語』を見て大泣きするのが日課です。直近では『DUNE』をみました。

 

 

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