語彙力があると世界が広がる! 読書で語彙を増やそう!
大人たちから、「今の子どもは語彙力がない」と言われたことはありませんか?
「語彙力がない」と言われると、ちょっと傷つきますよね。
チャットでは、スタンプで感情を伝えられるし、「語彙力ってそんなに必要?」と思うかもしれません。
たしかに、日常的に知っている人とやり取りをする分には語彙力不足で困ることは少ないかもしれません。
けれども、知らない世界に触れたり、物事を深く考えたりするときには語彙力は必要になりますし、語彙力があるほうが、人生は豊かになります。
本日の記事では、人生を豊かにする「語彙力」について取り上げたいと思います。
もくじ
私たちは言葉で世界を認識している
「蝶と蛾」と「パピヨン」
※虫の写真が登場します。苦手な方はスキップしてください。
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突然ですが、この昆虫は何でしょうか?
そう、「蝶」ですよね。
では、こちらの昆虫は?
はい、「蛾」ですね。
同じ質問を、フランス語圏の人にしてみたら何と答えるでしょうか?
どちらも「パピヨン」と答えるはずです。
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日本人は「蝶」と「蛾」を区別しますが、フランス人には「蝶」と「蛾」の区別がないのでしょうか?
「蛾」を「パピヨン ド ニュイ」=「夜の蝶」と呼ぶので、まったく区別がないというわけではないようですが、それは現れる時間の違いによる呼び方の違いであって、あの形の生き物としては「蝶」も「蛾」も、ともに「パピヨン」と認識しているのです。
語彙で世界をとらえる
語彙とはある「特定の範囲における言葉の総体(まとまり)」のことです。
先ほどの例では、日本語の語彙では「蝶」と「蛾」という2つの言葉で、両者を区別して認識していますが、フランス語の語彙では「パピヨン」という1つの言葉でこれらの生き物を認識している、ということになります。
これは、日本語の方がフランス語より語彙が多いということを意味しません。
語彙が異なることで、ものごとを認識する枠組みが異なっている、ということを表しています。
このように、私たちは、言葉を使って世界を把握しているのですが、そのとらえ方はみんな同じというわけではないのです。
上記は、日本語とフランス語という言語の違いでしたが、他人にも古文と現代語による違い、方言による違い、あるいは専門性や業界による違いなどもあります。
語彙を増やすことの重要性
語彙が増えると世界が広がる
生まれたての赤ちゃんは言葉を知りません。
しかし、成長とともに言葉を学び、語彙を増やしていきます。
はじめは家族の話す言葉を聞いて学びますが、保育園や幼稚園に行くようになると、友達や先生との関係性の中で新しい語彙を習得します。
また、絵本を読み聞かせれば、日常会話とは異なる物語の中の語彙も吸収していきます。
もっと大きくなって、学校に通ったり、新聞や本などを読んだりする中で、どんどん新しい語彙を獲得していきますが、それはすなわち世界が広がってゆくことでもあります。
さらに成長して、外国語を学ぶようになれば、言葉による世界のとらえ方が一様ではないことに気が付き、また別の視点で世界を見ることができるようになることもあるでしょう。
語彙は思考とコミュニケーションの道具
私たちは言葉によって物事を認識し、言葉を使って考えます。
語彙が増えるということは、それだけ世界を細かく切り分けて見られるようになるということなので、語彙の増加に伴い、物事を正確に理解できるようになったり、より深く考えらたりするようになります。
語彙の増加によって想像力が広がり、物語をより詳細かつ豊かにイメージできるようにもなります。
また、私たちは、言葉を使ってコミュニケーションや表現を行っています。
だから、人に伝えるという点でも、語彙が多いほうがより正確に伝えられますし、自己表現をする際も、より豊かに表現することができるようになります。
だから、語彙力があるに越したことはないのです。
語彙力アップには読書がおすすめ
語彙力アップに読書がすすめられる訳
では、語彙力を増やすためにはどうしたらよいのでしょうか?
語彙力を増やすには、よく「本を読みなさい」と言われます。
それは、単純に本を読めば多くの語彙に出会うからというのもありますが、理由はそれだけではありません。
文脈の中で言葉の意味を類推する
言葉というのはひとつだけは意味をなさず、文脈の中で伝達されるものです。
例えばここに「りんご」と書かれたメモがあっても、「それがどうした?」となりますよね。
しかし、例えば、
母は出かけに「りんご」と書いたメモを私に渡した。
たしか、駅前の八百屋は8時までの営業だ。
わたしは、足を速めた。
という文脈が与えられれば、母が渡した「リンゴ」は買い物のメモであり、「私」はそのリンゴを駅前の八百屋で購入しようとしているが、閉店時間が迫っているので急いでいるのだ、ということが推察できるわけです。
テキストと語彙の広がり
文章のまとまりのことを英語では「テキスト」と言いますが、テキストとはもともと「布」を意味します。
布は縦の糸と横の糸が無数に織り込まれてできていますが、文章も同じで無数の語彙の集まりによって意味のあるものとして成立しています。
私たちは本を読む際、テキストを構成する言葉の集まりから、絶えず言葉の意味を類推しています。
もっというと、書かれている言葉からだけではなく、そこに登場する言葉にゆかりがあるけれども、直接は書かれていない語彙の知識も総動員して、情報を読み取っているのです。
私たちは、本を読むなかで知らない言葉に出会ったときには、こうした力を働かせながら、おのずと語彙力を広げています。
そういう意味でも、読書は語彙力アップに有効と言えるでしょう。
語彙力と読解力を伸ばすおすすめ問題集
語彙力アップには読書が有効ですが、ただ本を読めばよいというわけではなく、正しく読める力(読解力)が備わっていることが大切です。
読解力をつけるには、国語の問題を解くのが近道です。
語彙力と読解力を伸ばしたい中学生におすすめの問題集はこちら。
中学教科書ワーク 国語
完全攻略 中1~3 国語 読解
ハイクラス徹底問題集 国語
まとめ
語彙力があると、物事を深く考える力、伝える力が上がります。
本を読むとおのずと語彙は増えていきます。
いろいろなジャンルの本をたくさん読んで、世界を広げていきましょう。