球春到来! 同時ベースはなぜ、セーフ?
3月に入って野球界は一気に盛り上がりをみせております。
しかし子供の野球チームでボランティア審判をしているおじさんたちは、
シーズンオフの真冬に審判講習会に駆り出され3月を待つ間もなくシーズンインしており、
寒風吹きすさぶ原っぱにて、走っては「アウト!」走っては「セーフ」と、
基礎動作をひたすら繰り返すという、遠くから見たらなんとも滑稽だろうなぁと思いつつ、
寒さも相まって体を温めるには格好の運動なのでもあるのですが、
そんな中講師の方から突然こんなことを聞かれたのです。
「同時ベースはなぜ、セーフですか?」と。
同時ベースというのは、例えば打者が打って一塁に走ります。
打者が一塁ベースに到達する前に、打ったボールが一塁に到達したらアウト。
ボールより先に打者が到達したらセーフ。じゃあそれが同時なら?というのが論点です。
ある程度野球を知っている方なら「そりゃあセーフでしょ」を誰もが思うのですが、
ではどうして?と聞かれると「・・・」の方が多いと思います。
ルールブックに書いているからというのでは、本当の回答になっておりません。
野球は「公認野球規則」なる、日本における野球の公式ルールを定めた文書で
それを編纂した書籍があり、
いわば野球の法律書なるもので、9つの大項目に分かれて構成されております。
その中に「5.00試合の進行」という項目の中から、
「5.09 アウト」内にある「(a)打者アウト」は、
「(10)打者が第3ストライクの宣告を受けた後、
またはフェアボールを打った後、一塁に触れる前に、その身体または一塁に触球された場合」
という表記があります。
つまり送球・触球と打者の一塁到達が同じだった場合は、
打者が一塁に到達している=「触れているという解釈」によって、
アウトではない=セーフという論理が成り立つわけです。
どうでしょう?そう考えると野球のルールも結構興味深くないですか?
ただ、保健体育のテストでこうした設問は、ほぼ問われないでしょう(笑)
弁護士の六法全書然り、野球の審判員も公認野球規則を覚えることは必須でありますが、
ボランティア審判だから、試合前のミーティングでは何卒ご容赦をと言いつつも、
なんとか際どいプレーが起きないよう試合中はドキドキしてしまう、
今年もそんなまた、球春を迎える時期になってしまいました。
~今回の執筆者~イニシャル:O
所属:営業部門
年齢:40代
今回のひとこと:ジャッジは自信をもって!