2026/05/01

日本国憲法の基本と改正のはなし―知ることから始めよう―

 

 

5月3日、憲法について考えてみよう

ゴールデンウィーク中の祝日、5月3日は「憲法記念日」です。

これは、1947年5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念する日です。

「憲法」と聞くと、難しそう、政治の話で自分には関係なさそう、と感じる人もいるかもしれません。

しかし、憲法は私たちの生活のすぐそばで、自由や安全を支えています。

この機会に、

「憲法って何?」「何が書いてあるの?」「法律と同じように変えられるの?」

という基本から、あらためて知ってみましょう。

 

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『小学教科書ワーク』

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豆知識:公布と施行のちがい

公布(こうふ):国民に知らせること(1946年11月3日)

施行(しこう):実際に効力をもつこと(1947年5月3日)

ちなみに、11月3日は祝日「文化の日」。これは、日本国憲法が公布された日です。

 

 

憲法は「国を縛って私たちを守る」ルール

憲法ってどんなもの?

憲法は、国の基本的なしくみや考え方を定めた法律です。

ただし、数多くある法律の一つではありません。

日本国憲法は、国の最高法規(さいこうほうき)、つまりは国で一番高い位に位置する法です。

国会でつくられる法律や、国や自治体のルールは、すべて憲法に従っていなければなりません。

 

  

 

憲法は、国が好き勝手に権力を使わないよう、国を縛るルールです。

その結果として、国民の自由や権利が守られています。

つまり、憲法は

「国民を縛るもの」ではなく、「国を縛って私たちを守るもの」なのです。

 

 

これだけは知っておきたい「三原則」

日本国憲法は、

前文と本文(11章・103条)

から構成されています。

前文には、日本がどのような国を目指すのか、その基本的な理念がまとめられています。

 

日本国憲法の中心となる考え方が、三原則です。

これは前文や本文を通して、憲法全体を支える柱となっています。

 

  

 

国民主権

国の政治の最終的な決定権は、国民にあるという考え方です。

選挙で代表を選ぶことも、この原則に基づいています。

 

基本的人権の尊重

自由に意見を言える、平等に扱われる、教育を受けられる権利などは、すべての人が生まれながらにもつ侵してはならない権利とされています。

第11条で人権を永久に守り、第13条で個人を尊重することが明記されています。

 

平和主義

第9条では、戦争をしないこと、戦力をもたないことが定められています。

これは、戦争の悲惨な経験を二度とくり返さない、という強い決意の表れです。

 

 

戦争の反省から生まれた憲法

日本国憲法の前にあった憲法は、大日本帝国憲法です。

第二次世界大戦後、日本は戦争を深く反省し、国のあり方を大きく見直しました。

その結果として制定されたのが、日本国憲法です。

 

  

 

日本国憲法では、天皇は国の象徴とされ、政治の決定は国民が行う仕組みへと変わりました。

また、戦争の反省をはっきりと反映している点も特徴です。

 

 

憲法は私たちの権利を守るもの

憲法には、国民の権利義務の両方が書かれています。

国民の権利

憲法では、基本的人権を中心に、政治に参加する権利、裁判を受ける権利など、

私たちが人間らしく生きるためのさまざまな権利が保障されています。

これらは国のしくみと結びつき、国民として生きる権利として認められています。

 

国民の義務

権利が手厚く保証されている一方で、明記されている義務の数は次の三つです。

・教育を受けさせる義務(保護者は子どもに教育を受けさせる)

・勤労の義務(働く能力がある人は働く)

・納税の義務(税金を納める)

 

権利と義務は対立するものではなく、義務を果たさないと権利を得られないわけでもありません。

そのため義務は、他の人の権利や社会全体を支える役割として、必要最小限にとどめられています。

 

クイズ:憲法に直接書かれていない権利はどれ?

①教育を受ける権利(学ぶ機会を保障する権利)

②生存権(健康で文化的な最低限度の生活を送る権利)

③環境権(よい環境で暮らすことを求める権利)

 

答えは…③環境権です。

環境権は大切な考え方ですが、日本国憲法には明記されていません。

その考え方が生まれる前に憲法が作られたからです。

ところで、もし、この権利を憲法に書き加えるには、どうしたらよいのでしょうか?

 

 

憲法改正までの高いハードル

憲法は国の土台となるルールです。

そのため、日本国憲法では、改正に非常に高いハードルが設けられています。

※日本国憲法は、制定以来一度も改正されていません

 

  

 

手続き① 憲法改正の発議

 衆議院・参議院それぞれで、総議員の3分の2以上の賛成が必要です。

 多くの意見が一致しなければ、改正案を出すこともできません。

手続き② 国民投票

 憲法改正が国会で発議された改正案は、国民投票にかけられます。

 有効投票のうち、過半数の賛成が必要です。

手続き③ 公布

 国民投票で賛成が多数となった場合、天皇が改正を公布します。

 

なぜここまで改正が大変なのか?

この疑問を解決するために、法律憲法の改正の違いを見てみましょう。

法律は、

国会で審議し、出席議員の過半数の賛成があれば改正できます。

国民投票は必要なく、国会の判断だけで完結します。

そのため、時代や状況に応じて、比較的柔軟に改正されています

 

一方、憲法は違います。

国会で3分の2以上という高い賛成率が必要なうえ、

さらに国民投票で国民の賛成を得なければなりません。

 

ハードルの差をイメージで比べると、

法律の改正は「生徒会で校則を見直す」ようなものです。

一方、憲法の改正は学校の校則だけでなく、「学校の存在理由そのものを、全校生徒で決め直す」ことに近いと言えます。

そのくらい、重みが違います。

 

なぜ憲法だけ、そこまで厳しいのか

理由ははっきりしています。

憲法国のあり方を決め、国の力を制限し、国民の権利を守る、「すべての法律の土台」だからです。

もし憲法が、そのときの政権や一時的な世論で簡単に変わってしまったら、国民の自由や権利が、不安定なものになってしまいます。

そのため日本国憲法は、

国会の高い賛成率

国民投票という最終確認

この二重のチェックを設けてハードルを高くしているのです。

 

改正を考える前に大切なこと

憲法改正は、「賛成か反対か」をすぐに決めるものではありません。

どこを・なぜ・どのように変えるのか・変えた結果、私たちの生活にどんな影響があるのか

を考える必要があります。

そのためにも、

まず今の日本国憲法を正しく知ることが大切です。

 

 

知ることから始めよう、憲法と未来

憲法は、特別な人のためのものではありません。

私たち一人ひとりの生活を土台から支えています。

「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」

これらを正しく理解することが、将来の主権者としての第一歩です。

変えるかどうかを考える前に、まず知ること

それが、憲法記念日にできる大切な行動です。

 

 

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