「中1ギャップ」を、いま、親子で乗り越えるには?
「中学に入って1カ月ほど……なんだか子どもに元気がない」
「小学校のときに比べて学校のことを話してくれなくなった」
「入学してから学校に行くのがつらい様子が見られる」
それ、もしかしたら「中1ギャップ」かもしれません。
今回は、「『中1ギャップ』を、いま、親子で乗り越えるには?」というテーマです。
目次
1.「中1ギャップ」とは?
小学校を卒業した子どもが、中学に入学した際の様々な環境の変化によって悩みを抱えてしまい、
学校に行きづらくなる・学習への意欲がわかない・人間関係でトラブルを生じてしまう等の現象です。
「中1ギャップ」を全く生じない子どもや、生じたとしても程度が軽い子どももいます。
2.「中1ギャップ」の原因
中学校に入学すると、子どもを取り巻く環境は様々に変化します。
その変化には、大きなものだけでも以下の2つが挙げられます。
他にも、制服の正しい着用が求められる、自転車や電車の利用といった通学方法の変化など、中学入学にともなう変化は多岐に渡ります。
これだけ大きな変化に対応するということは、大人であっても一仕事であるといえるでしょう。
3.なぜ、いま=5月 が大切か
一般に「5月病」という言葉があるように、5月は、4月までの新生活のはじまりに浮きたつ気持ちがやや落ち着き、
ゴールデンウィークの長期休暇も挟んで向上心が停滞しがちな時期です。
それに加えて、新中学1年生にとっては初めての定期テストをたいてい5月中旬~後半に控えています。
この定期テストの結果で、自分は勉強ができる/できない、勉強を頑張っている/いないという、
子ども自身に対する評価は大きく方向づけられます。
また最初の校外学習があるのも4月終盤~5月半ば頃であり、
これを機会に行動を共にする友人を探す子どもも多いでしょう。
更には部活動の見学期間も4月中ごろまでとする学校が多く、
部活動に入部して本格的に中学生としての生活がスタートする時期ともいえます。
もちろん、たとえ「中1ギャップ」に悩まされたとしても、
5月を過ぎてからそれを乗り越えることもあります。
ひとつの目安として、5月は「中1ギャップ」を乗り越える最初のターニングポイントということを知っておくと良いかもしれません。
4.「中1ギャップ」と自己効力
「中1ギャップ」はなぜ起こってしまうのか。
先に述べたように、それは様々な環境の変化が原因です。
しかし本当に問題なのは、それによって子どもが
「こんな変化に自分は対応できない」
「頑張っても問題を解決することはできない」という自己否定感を持ってしまうことです。
大切なのは、様々な環境の変化に思い悩んだとしても、
きっと「自分はうまくできる」と自分を信じる気持ち=自己効力を失わせないことでしょう。
では、どうすれば子どもの「自己効力」を「中1ギャップ」から守ることができるのでしょうか。
じつは、子どもの「自己効力感」と「学力・学習力」との間には相関関係があることが分かっています。
そしてこの「学力」とは成績の良し悪しのみならず、
「学習時間の長さ」や「学習方略を考える力」をも含みます。
その他にも、壁を乗り越える経験や、他者や保護者に認められ信用されること等の重要さが明らかになっていますが、
初めての定期テストを前にしたこの時期において、
家庭学習の習慣を身につけ、学習計画を立て実行するという体験をすることは、
子どもが自己効力を高めるために、極めて重要であるといえるでしょう。
5.まとめ
たとえ数値としての成績が奮わずとも、努力して壁に立ち向かった経験、自分なりに工夫して勉強の方法を打ち立てた経験は、
きっと、人生に起こる様々な変化に向き合い、乗り越えていく力の礎となることでしょう。
結果の数値が奮わなければ、それを壁として、乗り越える体験に変えていければ良いのです。
結果に関わらず、定期テストは親子にとっての学びのチャンスになりえるのですね。
中1ギャップを乗り越えるために重要なのは、
中1ギャップ自体を生じさせないことではなくそれといかに向き合うかということなのです。
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