「365/46」
このブログがアップする11月15日は、1年365日のうち残り46日という、なんとも安易なタイトルと思われるかも知れないが実はちゃんと落ちがあったりして、ともかく11月というのは私にとっていつも、あるノスタルジーを思い起こさせられてしまうことがある。
北海道出身者にとって本州の、いや東京の11月というのは、同じ日本でもこんなにも違うものかと感じるのは私以外にも多くいるであろう。東京の11月は基本的にいつも晴れていて気温は20度前後で過ごしやすく、毎日がお出かけ日和でなんだかこう、とてもいい月なのである。THE秋なのである。
対して北海道の11月は、それはもう暦通り初冬であって、こちらは基本的に天気がいつもぐずついており、わずかな晴れの日が本当に小春日和であって、三温四寒をすっとばして二温五寒といっても過言でなく、朝、暖かいから薄手の格好(とはいってもすでに上着は必須)で出て行ったら、帰りは北風ビュービュー、そして雪になるかならないかのような冷たい雨で、気を許すと一発で風邪をひいてしまう、そんな命がけと隣り合わせなのが、北海道の11月の学生たちだったりする。
私の中学校は山の麓にあり、3年間であらゆる登下校ルートを探ったが、どうしても徒歩45分の壁を破ることが出来ず、友人と別れた後のひとり帰り道20分間は、妄想をするくらいしかなかった。
帰り道の最大の難所は、ここを通らなければ家に帰れないほぼ1キロの直線道路であって、私が住んでいたところは、当時はまだ新興住宅街のはしりだったことから、住宅街というよりは原野にポツポツと家が建っているといった、それはもう、前後左右遮るものがなく非常に開放的な直線道路であった。
で、11月である。北海道の11月は日が沈むのも早く、16時半にはもう既に真っ暗だったりして、北風は容赦なく吹くは、みぞれ交じりの雨が降る中、その直線ほぼ1キロを歩くのはほぼ罰ゲームであり、時間にして約10分をいかに過ごすかが、1日の中で一番難儀なことであった。
何か楽しいことを考えようにも、かように過酷な状況では土台無理なことであって、それならば逆に苦痛のことを考えれば、この外的環境と中和されてイーブンになるのではと考えた。そして、当時の最大の苦痛は英単語を覚えることであった。
覚え方は至ってシンプル。北風にさらされながら、頭の中でひたすら単語を書くのである。そして比較的文字数の多い単語を選んだ。真っ暗の中、体を縮こまってブツブツと何かを言っている中学生は異様だったであろう。
一番覚えているのが「understand」であって、なぜ「下」と「立つ」を合体させたら「理解する」になるのか、それこそ全く理解できなかったのだが、無になり、念仏のように唱えていたら、頭では理解できずとも、いまだにその単語だけは自信を持ってその意味を答えることができるのは、苦行の賜物だと思っている。なおそれ以外、苦行中で唱えたであろう単語はほぼ覚えることが出来なかった。理由は暗記をするにあたり、文字として書かなければ私のスペックでは覚えることが出来なかったからだ。無念である。
そして30年後、そんなアホらしい苦行をせずとも、確立されたメソッドにて英単語を覚える本をプロデュースすることになるとは、当時の私は思いもよらなかっただろう。それが個別指導塾で超おなじみ、明光義塾さん監修の「毎日ちょっと365日ドリル英語」である。
1週間に10個の単語を確実に覚えるそのメソッドは、1日1ページ、1週間計7枚にて、その10個の単語をありとあらゆるやり方で習得する、それはそれで根性が必要になってくるが、北風や冷たい雨にさらされなくとも、あたたかいご自宅で英単語をしっかりと覚えることが出来るのだ。ぜひぜひ一度お手に取ってご覧頂きたい。なおこちらの商品は小学生で学ぶ英単語約700語を収録しております。
さて今年も残り46日である。年の瀬が近づく毎年11月になるといつもあの苦行を思い出し、懐かしくもそして故郷の寒空に思いを馳せるのである。
【今回の執筆者】
イニシャル:O
所属:営業部門
年代:40~50代
今回のひとこと:東京も冬はやっぱり寒かったりする